高速道路を見渡すことのできるみかん畑に移動。
県道を挟んで二か所に分かれている。

ここに、日南1号、ゆら、宮川早生、きゅうきの4種類が植えられている。

完全着色しているのが、日南1号で、もうほとんど酸味がなく、とても美味しかった。

まあまあ緑が抜けて、色づいているのが、巷で人気の、ゆら。
やや皮が剥きづらいが、うち袋が薄くて、美味しい。
まだまだ酸味が合ったけれど、良い感じの酸味だった。

宮川早生はまだまだ青い。

きゅうきは、苗を植えたばかりなので、樹が膝丈くらいの大きさしかない。
果実は生っているのだけれど。
普通は、幼木には生らせない。
「僕は生らせた方が良いな、と思っていて。他の人は絶対やらないんですけど。」

緩やかな斜面。
じっとしていても、暑い。
柿と同じように、ここも良いみかんがとれそうだと思った。
「あっちに、うちの畑で一番、ひどいとこがあります。本当は、整備が入るはずだったんですけど…。」
県道が通る際、基盤整備の計画があった。
が、地権者の意見が一致せず、全部には適用されなかった。
そのため、一番ひどい斜面が残ってしまった。
「ここです、ここ。」
なるほど入っていくと、ひどい。
斜角はいったいどれくらいなんだろう?

と思っていたら、滑って落ちた。
よじ登った際にも、もう一度。
「大丈夫ですか!?」
と手を差し出されたものの、なんの、まだ若いものには!
「絶対大丈夫です。」
雑草たちをつかんで、よじ登った。
「そうそう、除草剤をなんで使わないか、なんですが。」
山の畑の稜線に当たる部分に上がって、歩行が安定した際に、北田さんが切り出してくれた。
りょくけんでは、基本的に、除草剤の不使用をお願いしている。
ただ、多くの山間の柑橘畑(それとにんじん畑)に、除草剤は不可欠な気候になっており、不使用は難しい状況になっている。
北田さんのみかん畑は、除草剤不使用。
機械の草刈り機で、刈っている。
「一つには、うまく使えなかったから、があるんですけど。」
除草剤はなんでも撒けば良いものではない。
特定の草を枯らし、対象でないものには効かない。
それは利点でもあるのだけれど、農業を始めた時には、どの雑草が何なのか分からず、散布しても利かなかった。
「枯れないじゃん。」と思った後に「じゃ、刈ろう。」とせっせと草刈り機で草を刈った。
刈られた草がやがて傷み、土に帰るのを見て、「天然の有機物じゃん。」と思ったそうだ。
いわゆる“草生栽培“の真骨頂である。
「ちなみに“きゅうき”ってどういう字を書くんですか?」
「和歌山のオリジナルの普通温州で、ひらがなで書きますよ。まだできたばかりの品種ですけど。」
後で調べてみたところ、きゅうきとも久喜とも書くようだ。
和歌山県が開発した温州みかんで、年明けも出荷でき、うち袋が薄い品種らしい。
また、よく考えてみようと思う。
良い出会いだったなあ。
ご縁に感謝。