8月のお盆前に始まったぶどう戦線。
ビニールハウスで育ったナガノパープル、シャインマスカットは、正直なところ、いつもの出来ではなかったと思う。
記憶は美化されるものだけれども、「あれ、こんなものだったかな?」と考え込んでしまった。
長野県上田の少し小高い山の斜面に畑が変わり、入荷し始めたナガノパープル。
マルシェでたくさんご試食していただいたが、なんだかすごく好評。
「甘すぎるね。」
なんていう言葉も頂戴するほど。
このほど、最終入荷。
黒光りするほど着色していて、今年は良い年であることを確信。
玉張りも目を見張る。
生産者の平林さんに言わせると、収穫直前に雨が続いたので、玉割れが心配だったのと、最後の一味にコクが足りない、とのこと。
でも、私はそうは思わない。
シャインマスカットなどにはない、黒ぶどうの正統派の味をよりフルーティに継承したのが、ナガノパープルの特徴だと思う。
これ以上、コクがあって、重く(?)なると、その良さが濃すぎてしまう気がするのだ。
20年前に同じ長野の飯田の原さんから初めてその名を聞いた。
「試験場で食べたんだが、ナガノパープルが、どウマイに。うちはぶどうはやらんけど、もし作っている人がいれば、絶対確保した方が良い。」
原さんは、私の元上司がりょくけんに入って初めて開拓したくだもの農家さんだと聞く。
桃、プラム、りんご、梨を手掛け、りょくけんの農家さんの中でも最古参の一人で、重鎮だ。
あの時、まだ出会う前に恋焦がれた味は、この味なんだと思う。
デパートマンから農家に転身。
その背景からも平林さんとはお話が合う。
でも、今度、訪ねた際は、もっともっとぶどうの話をしたいと思う。
完熟で収穫されたナガノパープル、ぜひ名残を楽しんで欲しい。