りょくけん東京

りょくけんだより
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クイーンルージュ シャインマスカット ナガノパープル

ぶどう栽培歴60年。

「高校出てからすぐ。すぐだなあ。23歳からぶどうだな。今85(歳)だから、もう60年以上になるなあ。」

そう語る松崎さん。
心なしか、小さく見えてしまう。

「りょくけんさんとも長いなあ。もう幾年になるかなあ。永田さんも良く来てくれて。」

「私だけでも、20年になりますからね。」

りょくけんの門を叩いた直後、長野県上田の松崎さんを訪ねた。
「ぶどうなら、松崎さんに頼んでみなさい。」と当時の上司にアドバイスを受けたからだ。
ずっとお取引きをしていたけれど、少し切れていたらしい。
それを再びお願いしたのだ。

穏やかな話しぶりと、種有り巨峰、ナガノパープル、シャインマスカット、マスカットベリーA。
どれも美味しかった。

あれからもう、20年が経つ。
松崎さんも、私も年を重ねた。

「まだまだ自分ではできるつもりでいるけれども。若い人たちに任せる時期になったわい。」

寂しいような、嬉しいような視線の先には、長女の婿養子さんの、松崎さんがいた。

松崎さんには四人の娘さんがおり、それぞれのお婿さんが、畑仕事を手伝ってくれている。
すでに、ぶどうの作業は10年以上携わっているが、本格的に従事するようになったのは、会社を退職した3年ほど前だ。
新しい技術や知見を入れつつ、松崎さんのぶどうを踏襲している。


↑クイーンルージュ(まだ青い)

8月10日くらいから始まるナガノパープル、そこから一週間後のシャインマスカット、9月にはいると、クイーンルージュ。
おすすめは、その後、10月にある、クイーンニーナだそうだ。
昨年は9月以降のシャインマスカットは、病気が出てしまって、収穫できなかった。
今期はどうかな…。

ちなみに松崎さんの次女のお婿さんは、東京からIターンし、松崎さんからぶどう畑を一部譲り受け、独立している。
ぶどうの時期がずれているので、私もお取引をお願いしている。

「親父はすごかったなあ。新しいものを取り入れて、外さなかった。」
松崎さんの先代は、米、小麦、養蚕が伝統の産業だったところ、ポップやたばこ栽培を取り入れ、成功した。
そのうち、ぶどうというものが流入し、ナイアガラ、コンコード、デラウェアなどの栽培に取り組んだ。
そのころ、松崎さんも就農した。

「そして、巨峰だな。あれが、良かったなあ。これは日本にもぶどうの時代が来る、と思った。」

新しいものが好きなのは、松崎さんも同様か。

ナガノパープルも、シャインマスカットの導入も早かったし、赤ぶどうの新品種“クイーンルージュ”も苗が出回る初年度に植えてあった。

「松崎さん、連絡先教えてください。」

お婿さんの携帯番号を教えてもらった。
これも、ひとつの代替わりなのかな。
松崎さん本人にも連絡をしながら、実務関係は、お婿さんと連絡することに。

代替わりは、嬉しい時でもあり、寂しい時でもあり。

「また、ぶどうが生っている時に来て。今は何にもないから。お土産も差し上げられなくて申し訳ないね。」

「いえいえ!お体、気を付けてくださいね!」

そう言って、ご自宅を後にした。