Cucumis meloと言われて、何か分かる方は、よほどの野菜通、学者さんくらいだろう。
ウリ科植物の学名で、ラテン語由来だ。
日本でウリ科を代表する野菜は、きゅうりだろう。
また、ウリ科を代表するくだものは、メロンかスイカだ。
このウリ科植物を表す学名 Cucumis melo はその両方の名前を持っている。
Cucumisは、きゅうり=cucumberを、meloはすなわちメロンにあたる単語であることに気づく。
無理やり日本語に当てはめれば、ウリ科植物を表すCucumis meloは、メロン瓜と言ったところか。
きゅうりとメロンが同じ科に属す植物であることには、小さいことはいささか違和感があった。
ルーツをたどっていくと、紀元前4000年ほどのインドに行き当たる。
インドから、東方に渡り野菜として発展していったのが、きゅうりで、西方に渡り、くだものとして進化したのが、メロンらしい。
が、そんなに単純でもなさそう。
紀元前1000~200年くらいの中国では、すでに甘い瓜、すなわちメロンが食べられていた記録があるそうだ。
ペルシア、つまり現在のイラン周辺は、甘い瓜(メロン)の名産地だったようだし、アジアを横断するシルクロード周辺で産する瓜も、特に甘い、と評価されていたようである。
北アフリカ諸国を通じて、南フランス、イタリアにも流入し、この辺りで、甘い瓜、メロンという概念が確立していったようである。
南フランスやイタリアでは、特に赤いメロン=カンタロープという品種群が栽培された。
赤肉のメロンは、かぼちゃと交雑したメロンだと師匠に聞いたことがあるが、いまだよく分かっていないようである。
私が思うに、インドで生まれた甘くない瓜が、乾燥した地域で進化して甘みを持ち、メロンの祖先となって、西方に向かったものと、東方に向かったものがあるのだと思う。
ヨーロッパでは、甘くない瓜つまり、日本で見られるような瑞々しいきゅうりはあまり発展せず。
代わりではないが、同じウリ科の、かぼちゃやズッキーニ(=小さいかぼちゃの意味)が発展した。
青肉の甘いメロンは、英国の王立研究所のハウスで頂点を極める。
それが、アールスフェボリット、アールスメロンだ。
戦後、日本にも導入され、高級なマスクメロンとして確立した。
一方で、本家だったイギリスでは、病気が広がり、栽培されていないらしい。
東方で甘くなった瓜は、マクワウリが代表的だ。
こうしてみると、湿潤な気候で発展した瓜は、甘さはあっても控えめ。
どちらかというと、野菜として発展した。
乾燥した気候で発展した瓜は、メロンやスイカに発展し、ヨーロッパでも好まれたのだと思う。