りょくけん東京

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子噺 社長日記

網引き?

こと中学生や高校生になってくると、親と子は一線を引くところが出てくる。
俗に言う思春期か。

体育祭の情報が直前まで出ず、断片的な会話から、察する。

「白と赤で、赤の方が圧倒的で、大差がつくから嫌なんだよ。練習でも毎回負けてて。」

とは、当の次男の言葉。

と言うことは、負けるのは白で、次男は白組か。

「リレーは出るの?」
「いや、出たい子がいたから、俺は出ない。」
「いや、リレーって、クラスで一番とか二番とか、足の早い子が出るんだよね?立候補とかじゃないんじゃ?」

と心で思ったが、敢えて聞かず。
次男なりの理由があり、もう決まったことなんだろう。

「他に何に出るの?」
「網引き。」
「網引き?斬新だね。」

元々ここいらは、漁師町である。
埋め立てられる以前は、地引網や海苔漁が盛んだった地域だから、何か伝統的な競技があるのだろう。

長男の時は無かったな…。

何か引っかかりながらも、当日、なんとか体育祭へ。

中学校としては、土日開催を今後はなくし、平日開催にシフトしていく方針なのだと言う。

なぜだろう?

長男が1年生だった時は、3学年で200名くらいしかいないのに、1日中開催され、演目もえらく多かった。
親が参加する競技もあったような。
それが、コロナを期に、午前中のみの開催になった。
生徒数から言えば、極めて妥当なのかもしれない。

さてさて。

白組の参加者を見るも、次男の姿は見えず。

”網引き”と言っていた競技は、なんと“綱引き”だった。
次男が漢字を読み間違えたのか、思春期のテレなのか、冗談なのか、はたまた仲間の間でわざと”網引き”と呼んでいたのか。。。

「綱引きじゃねえか。」

妻と一緒に笑った。

「斬新だな!と思ってたんだけど。」

白組に代わって、赤組が我々の前にやってくる。

「あ、いた。」と嫁。
「ほんとだ、いた。」と自分。

「赤組じゃねえか。」と心で再び思った。

騎馬戦で序盤、大いに優位に立っていて憎らしかった赤組は、その後の綱引きやら台風の目やら長縄跳びやらリレーやらでどんどん他の組に抜かれ…。

”大差”と言うわけではないけれども、やっぱり敗北。

負けが嫌いな次男は(いや、四兄弟全員そうか…)、見に来てほしくなかったのかもしれない。

その晩、事前の会話に参加していた三男に確認する。

「あいつ、何組だったか知ってる?」
「知ってる、白組。」
「網引きに出るって言ってたよな?」
「言ってた、網引き。」

妻は私の聞き間違いだと思っていたし、私も少しそう思っていたが、そうではなかったようである。

思春期…!?
なんなん…!?