ドワイエネ デュ コミス。
フランス語では、doyenn’e du comice と書く。
便宜的に、“’e”と書いたが、本来は、e の上に’アクセントが付く。
“主人”という意味の女性形で、女主人という意味だ。
comice は、共同体とか委員会とか審査会、評議会という意味。
もともとは、le comice horticole で、園芸委員会の女主人という意味だったのだと思う。
1850年ごろ、フランスのアルジェ地方の園芸委員会で育種されていた品種で、アメリカに渡り、別の名前で販売されていたのが、イギリスの品評会で大絶賛されたのが契機となり、主要な西洋梨品種になったようだ。
もっとも、現在でもフランスで主流かどうかはよく分からない。
今度、調べてみようと思う。
なぜそう思うかというと、日本で最も有名な西洋梨、ラフランスは、フランスでは全く作られていないからだ。
ワインぶどうに寄生虫がついて、有力品種が作られなくなったのと同様、ラフランスは、フランスでは作りづらいらしい。
また、11月の収穫で、晩生のため、あまり好まれなくなったのも一因だとか。
冒頭の通り、名前が長く、発音も難しいので、日本では、もっぱら”コミス”と呼ばれる。
(”委員会”と呼んでいるだけ、と知るとなんだか少し寂しいような…。)
発音だけではなく、栽培も難しいそうで、栽培量は、日本で栽培される全西洋梨の1%に満たない。

ただ、食味と香りについて、大絶賛を受ける西洋梨である。
客観的な評価を求めるならば、昭和の宮内庁の料理人だった秋山徳蔵氏が、自身の著の中で、「まるでアイスクリームのような舌触りで、バターのように滑らかで、あれこそ果物の王様である」と紹介している。
そんなコミスがいよいよ入荷開始。
まだ、食べごろには程遠いが、早く追熟が進み、口にしたいものである。

■西洋梨(ドワイエネ デュ コミス) 長野県産 約2kg 3240円(税込)~
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/462020.html