2~3本あるくらいだと思っていた。
「待ってたよ~」

山下さんが軽トラで迎えに来てくださった。
山下さんのりんご畑は、ご実家からすぐ上がったところにあった。
ここを普通車で進んで言って良いのだろうか、と少しだけ考えたけれど、軽トラの後を付いていった。
あの頃と変わらない、りんご畑がそこにあった。

山下さんのご実家のある集落を囲うようにしてりんご畑の斜面が続く。
最近はやりの、碁盤の目状に整備された、1本づくりの植え方でもなく、何というか、規則性がない、やや無法地帯のりんご畑。
剪定も、およそ人の手が加わったとは思えない、というか。
山下さんのりんご畑は、ふじが中心なので、まだ青い実が多い。
その中でぽつぽつと赤い実が見える。

それが、あかねりんごだった。
「今年のあかねは良いよ。全部、ジュースで良いの?」
たしかに、とても良くなっているし、色づきも良く、いかにも美味しそうなりんごがなっている。
しかも、1~2本じゃない。
あちこちに、ランダムに樹がある。
「8本くらいあるよ。」
あかねりんごは、りょくけんが長らく愛してきたりんご。

珍しく、“香り”を重視して育種されたりんごなんだとか。
その結果、”日本2番目に酸っぱい”と評価されるらしい。
ところが、きちんと熟させると、とても風味の良いりんごになる。
「食べてみて。」
山下さんに差し出された赤い実を食べると、しっかりした果肉で、とても食味が良い。
酸味もきつくなく、甘酸適合。
糖度計で測ってみたら、12.6度あった。
9度くらいが、あかねの普通なので、とても良い数値だ。
「生食用も売りましょう、山下さん。」
数年前までに、北海道の余市で安芸さんが、作っていたあかねりんごを伐採してしまった。
りんごの病気に勝てなかったこともあるけれど、安芸さんが経営のメインをワインぶどうにシフトしたためだと思う。
昔から、山下さんが数本のあかねの木を持っていたのは知っていたので、そこからは山下さんに、ジュース用のりんごをお願いしてきた。
加工場にも近いからだ。
濃厚な赤い果皮。
真っ白な果肉。

久々にご紹介できるあかねりんご。
楽しみだ。