りょくけん東京

りょくけんだより
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嶽きみ

降りしきる雨の中で。

作業部屋には、大柄な男性、小柄な女性、すらっと背の伸びた男性が何かを待つようにたたずんでいた。

「あ!りょくけんさん!はい、来ると聞いてます。今ちょっと留守にしていて…畑に行っていて…。もう少しで帰ってくると思います。」

しばらく作業場でお話しすることに。

外は雨が降り続いており、頻繁に強くなった。

大柄な男性は、お会いしたことがあるような雰囲気があるのだけれど、思い出せない。
五十路を前にした、私の悩みの一つだ。

「今、りょくけんのHPは、岩木山を前にした佐藤さんですから。」とスマートフォンを通じてお見せすると
「これは、だいぶ前ですね。」とのこと。

さっと調べたところ、2009年の写真だった。

「それじゃ、けっこう変わりましたかね、佐藤さんも。」
「ええ、だいぶ…。」

毎年、必ず電話でやり取りするので、こちらは勝手に、、、久しぶりというイメージはなかったのだけれど、私が現地を訪れるのは、かなり久しぶりだったようだ。

「今朝いらしたんですか?」
「はい!今朝まいりました。」
「飛行機で?」
「いえ。」
「新幹線?」
「いえ。夜行バスです!」
「おお。どこの夜行バスですか?」
「パンダ号、4列シートでした。」
「カーテン無しのですね。」
「お詳しいですね、やっぱりけっこう皆さん、乗ってるんですね。」
「はい、けっこうやってます。」

青森は、飛行機と新幹線、いずれも片道18000円ほどかかる。
夜行バスの価格を調べたら、税込4500円だった。
1/4のコストだったので、ここは頑張るところだと思った。

そんな話をしながら、佐藤さんを待ったが、なかなか帰ってこない。
大柄な男性も、ずっと右手に送り状の控えを持ったまま、私に付き合ってくれていた。

収穫されたとうもろこしが、箱詰めされ、大きな扇風機に当たっている。
とうもろこしは、収穫直後、発熱する。
長く続くと、食味や日持ちに影響するので、こうやって、冷やすのだ。

雨は降り続く。

「今年は雨が多くて…。この畑も水に浸かってしまった影響で、下の方の葉が枯れてますよね。ああなると、もう大きくならない。」

例年に比べると、収穫量は少ない。
不作だった。