「チャーターになります。車と運転手、プラス人工を一人付けます。」
電話の向こう側の運送会社さんは、そう繰り返して譲らない。
最寄りの営業所まで荷物は来ているけれど、配達は出来ないと言う。
一箱9kgある新もののグレープフルーツジュースを80ケース。
浜松から東京の事務所に運んでもらう際に起きた事象だ。
車一台と運転手さん、そして荷物を運ぶ人。
数時間で済む作業だとしても、5万円はかかるだろうことは想像に難くない。
問題は、事務所の5段の階段だった。
80ケースを一つ一つ運ぶのであれば、別の業者に委託するので費用が別途かかる、と先方は主張しているわけだ。
実のところ、分からないわけでもない。
パレットと言って、1m30㎝四方くらいの台にグレープフルーツジュースを40箱ずつ載せられれば、二台で済む。
これをフォークリフトと言う運搬車に運ぶことが出来れば、あっという間に荷物を下ろすことが出来る。
だから重量ベースでのお値段が、運搬業者は安価に出せる。
それを、階段があるせいで、フォークリフトは使えないし、パレットも使えない。
人が、80往復して、運ばねばならない。
それで、パレット運搬と同じ価格で運べ、と頼むのもスジが通らないのも分かるのだ。
「じゃあ、パレットで、事務所の前におろしてください。そこから、自分たちで運びますから!」
「分かりました、現場に聞いてみます。」
数十分後にあった着信に折り返すと、やはりそういうわけにもいかないらしい。
ドライバーがその場で待つ必要があるし、パレットを公道に置いておくわけにもいかない。
「それか、配達所まで引き取りに来てもらうか…。」
「分かりました。月曜日まで身が空かないので、それまで保管していただけますか?」
そういうことで、話がまとまった。
それから80ケース収まるくらいのサイズのレンタカーを探した。
荷物のサイズは、28㎝×32㎝×高さ15㎝。
4列×4列並べれば16ケース入る。
5段積み重ねれば、80ケース全部が入るだろうか。
大きなサイズは、レンタカー屋さんでも台数が限られる。
最大サイズのレンタカーは、どれも貸し出しの予約が入っていた。
幸い、2番目に大きいサイズのレンタカーが有楽町で予約できた。
銀座に立ち寄ってから、事務所に行き、足立にあるトラックターミナルに行くルートも思いついた。
毎週月曜日は、銀座の店舗と事務所を往復して、事務所で保管している資材を持ち込んだり、商品のやり取りもしている。
果たして、9時45分に車を借り受け、10時に銀座を出発。
事務所に荷物を届けた後、いざ足立へ。
舎人公園の中に広いトラックターミナルがあった。
業者さんは、想像以上に親切で、レンタカーのバンに入れるのを手伝ってくださった。
お互い「腰に来ますね!」なんて言いながら。
2番目に大きいレンタカーには、想像通りにぴったり入った。
重くなっているから、スピードとブレーキングには気を付けて運転。
12時30分には、事務所に再び着いた。
そこからは、相棒の男性デザインスタッフさんと80ケースを運び込んだ。
階段5段を、二人で2ケースずつ20往復。
20分くらいで済んだだろうか。
銀座のお店で必要な資材や商材を積み込み、再び銀座へ。
13時半には任務完了。
レンタカーを有楽町のレンタカー屋さんに返却した。
自分や自社スタッフの力も借りたけれど、4000円以下のレンタル代。
我ながら頑張った。
そこから、今度は電車に乗り、再び事務所へ。
やっと事務仕事に就く。
ついこの間、急性腰痛=俗称:ぎっくり腰 をしたばかりのような…。
明日は、予定していたマルシェ出店が落選したので、少しゆっくりしたいと思う。