最寄り駅から会社に向かう道すがら。
正面から、父子が歩いてくる。
3歳くらいのお子さんだろうか、「パパ、なんかくさいよ。なんのにおいだろう?」と問いかけているのが聞こえた。
「? 何もにおわないよ、なんだろう?」
何気ない会話だった。
不快な臭いは私も感じた。
アパートの花壇で、ご婦人が何やら作業をしている。
左手に大きめのポット。
攪拌された白い液体が中に入っている。
右手にホース。
ジューっと音を出しながら液体が噴き出ていた。
農薬散布。
農薬には、基本的に臭いがない。
農薬メーカーが、不快な臭いを添加している。
周囲にその存在を気づかせるためだ。
お子さんは分かるのに、大人は分からないのか…。
何気ない風景だったけれど、少し気になる一風景だった。