愛媛松山空港には、格安空港のジェットスターが乗り入れている。
平日は、残念ながら一往復しかない。
成田を8時に出て9時50分に着くと、そのまま帰ってくるのだろう、松山を10時25分発。
これでは、空港から他の場所へ、どこにも行けない。
だが週末は、松山を20時30分に出る便が一本増えるので、これを使うことにした。
片道4990円。
この飛行機運賃は破格だ。
成田空港の第3ターミナルは、相変わらず、なんだか負けた気がすごくするし、機内の席の前後スペースの狭さは厳しいものがあるが、お金には代えられない。
飛行機を降りて、まずは伸びをした。
レンタカー屋さんに行き、レンタカーを借りる。
「どちらに向かわれますか?」
「西予(せいよ)に参ります。」
「雪が降っているかもしれません。タイヤがノーマルなので、チェーンを念のため積んでおきますね。使用したら550円かかります。」
「え。」
関東人のイメージとして、愛媛で雪が降るとは想像しづらい…。
松山は、晴れ間が少し見える曇天。
寒いと言えば寒いが…。
高速道路に入り、しばらく走ると、トンネルが多くなる。
いくつかトンネルをくぐると、、、雪だった。
まともに降っており、まともに積もっていた。
高速道路だったが、どの車も時速を落として、40㎞/h程度で走っていた。
私も、ここで死ぬわけにはいかない、と細心の注意を払って運転した。
いくつかまたトンネルをくぐり、気になるチーズ農場がある内子を通り過ぎた頃から、雪は弱くなり、西予宇和インターを出た時には、松山と同様、晴れ間のある曇りだった。
トンネルをくぐり、海が見えると、その海辺に向かい、山を下っていく。
レンタカーに装備されているカーナビの画面を見て、ちょっと驚いた。
まるで、小腸…。
俵津(たわらづ)と呼ばれる湾岸の住宅地まで、右に左に、何度もカーブを曲がってようやくたどり着いた。
海岸沿いの道路はきれいに整備されていて、穏やかな海が広がり、農業よりも漁業の町の印象を受けた。
伝統的な日本の民家が広がる住宅地を車でうろうろしていると、そんな住宅地と少し不似合いな、しゃれた青い色のダウンを着た若い方と目が合った。
あ。
携帯電話が鳴った。
「今、目が合ったんですけど。大森さんですか!?」
明浜の若手農家グループ、天晴農園事務担当、崎山さん(31歳)だった。