「こんなこと、めったにないんですけどねえ。」
電話の向こうで、木戸さんが言った。
木戸さんは営業のご担当者さん。
岐阜県内の農家さんを組織化して春夏のトマトを供給している。
昨年、夏のだいこんをきっかけに、畑を訪ねて、とても感銘を受けた。
今年の冬は、雪が降る所にはとても降っていて、岐阜県も。
例年であれば、さほど積もらない平地の各務原や中津川でも雪ひどく、ビニールハウスの中にも影響が出てしまったらしい。
しばらく、プラムトマト(フロランティーノ)もミディトマト(シンディスイート)もお休みになってしまった。
特に中津川のミディトマトは、1/4が寒さのために枯れてしまったとのこと。
急遽、二本仕立ての株を二倍の四本仕立てにして収穫量を確保する作戦に変更した。
トマトはツル性で、支柱を立てて上に伸ばすように仕立てる。
放っておくと、脇芽が出て、何本にもツルが分かれていくのだが、栄養が流れる道も分かれていくため、
1本仕立てが、二本仕立てが一般的だ。
仕立ての本数が多いほど、収穫できるまでの時間が遅くなったり、終了の時期が早まったりする。
食味はさほど変わらないようだ。
とはいえ、しばらくの間はお休みになる。
食味がとても良くなっていたところなので、寂しい。