「こないだのスイカ、美味しかったわ。」
閉店間際、銀座店のお客様から、そう言われて嬉しかった。
「ありがとうございます!」
「これはどこの?」
「熊本です。」
「他のところで買った熊本のスイカはこんなに甘くなかったわよ。」
「そりゃあ、そうです!内田さんは”一株一果”で、普通なら2~3玉とるところ、1玉しかならさず、そこに栄養が集中するように作ってますから。」
「ふうん。私、果肉の下側を食べたのよ。」
「皮のほうですか!」
スイカは部位によって糖度が違い、中心部分が甘くなる。
皮の際に向かって、糖度は落ちていく。
「普通は糖度は落ちるんですけどね。」
「そうなの、そうなのよ。」
それでも美味しかったそうな。
「いいわ、重いけど買ってく。これまた、半分に切って、1/4にして。」
「かしこまりました~」
私が力説したことは、そんなに響かなかったようだけれど、とかく嬉しい。