山梨の石原さんは思ったより元気だった。
夏のなすをお世話になっているわけだが、本業はいちご狩り。
サッカーチームのヴァンフォーレ甲府のホームグラウンドの小瀬スタジアムから近いこともあり、小曲地区は、いちご狩りのメッカとなりつつある。
いや、やっぱりインターから近いというのが大きいか。
東京から2時間ちょっと。
我が家からも車で2時間~2時間半で来れるアクセスの良さが魅力なのかもしれない。
それぞれのいちご狩りの農場や農園には、番号が振られており、懇意にさせてもらっているのは8番の石原農場。
農場に着くと、石原さんはお孫さんとほうれん草を洗っていた。
事前の電話では、やっぱりこの感染症の影響で、かなりお客様も減っていて、キャンセルが多いらしい。
例にもれず、外国からのお客様も多くなってきたところでの、この騒ぎ。
外国からのお客様はとんと減り、外国のお客様を嫌がる国内のお客様も減る。
銀座と同じだ、、、
石原さんが一番、危機感があったのは、大雪でハウスたちが倒壊した時だ。
もう5年前になる。
雪が降りしきる中、ハウスに上って夜通しで、雪をおろし、雪の重さでハウスがつぶれないようにしたと聞いている。
その時のことですら、「ヘリから写真撮られてね、翌日、山梨日日新聞に出ていた。」と笑っていたっけ。
見せてもらった新聞の写真は、誰なのかも分からない黒い人影二つ。
確かにハウスの骨組みの上に登った大きなシャベルを持っていた。
子供たちは、ハウスに向かい、おもちゃの車などがあるのを知っているので、思い思いに乗って遊ぶ。
四男は、初めて見た(昨年も連れてきているけれど)おもちゃの車に大興奮。
兄たちに負けずに、乗ろうと一生懸命だった。
長男はもう9歳だから、体が収まらない。
勝手にピーナッツをつまむ。
落花生は、石原さんが作っているもので、製菓加工場に依頼して、炒ってもらっている。
かなり甘みがあって美味しいのだ。
「さ、いちご狩り行くよ!」と言うと、一斉にハウスの中へ。
石原のお母さんは少しずつ経営も長男夫婦に譲っているような印象。
お嫁さんが、案内してくれた。
「章姫を中心に、紅ほっぺ、それから”もういっこ”も植えてます。それぞれ食べてみてください。たくさん食べてね~」
今回は高設ではない土耕の場所。
高設も十分に美味しいけれど、私は、このタイプが好きである。
低い場所にあるので、小さい子たちも思い思いに、いちごを収穫できる。
1歳10カ月の四男ですら、手に取って食べることができた。
畑は一面きれいに、黒フィルムが貼られていて、土はほぼ見えない。
余計な水分が入らないようにする目的と、やっぱり観光農園なので、土が見えないほうが、素人のお客様には良いのかもしれない。
白のはしご状のものは、苺が傷まないようにする仕掛け。
黒フィルムは気温も上げるので、その熱でいちごが焼けてしまうのを防ぐのだ。
「うめ~」
育ち盛りの男子たちである。
かなりはしゃいで、楽しそうに食べて、良さそうなのを見つけてくると、「これ美味しそうだら上げる~」と譲ってくれる。
3人の兄たちは順番に、四男にも食べさせていた。
「これおいしそうだよ、たべな、あーん。」
お。
薄い朱色の、種がぐっと詰まった極端な逆三角形の苺を発見。
「桃薫だ!」
りょくけんでは、品種名の桃薫ではなく、”ピーチベリー”で呼んでいる。
桃の香りと味がある苺で、赤いいちごと言うよりは、白っぽい。
「うわあ。やっぱり美味しい。」
今回は甘酸っぱさが加わって、とても美味しい。
ちなみに、章姫は、静岡で生まれた品種で、ひょろ長い特徴的な形で、酸味が極端に少なく、やわらかい品種なので、いちご狩り向き。
甘みをストレートに感じやすいのだ。
ただ、やわらかい品種なので、配送には向かない。
遠隔地に送るには弱いのだ。
入口の近くに、もう一つ白いいちごがあった。
妻が食べて、「この白いのも美味しいよ~食べてみて~」と言うので、食べてみた。
ん?