「ぼくもお手伝い行く~」
マルシェ当日の朝、何がどうなのかよく分からないが、長男は当然のごとく、「手伝いに行く」と言い、その下二人の弟たちも突然、そう言い出した。
ファミリーカーで搬入なので、毎回、マルシェの会場である月島第二児童公園には連れて行って、妻と一緒に帰っている。
今回も、そのパターンで大丈夫だろう、ま、会場の設営だけでも手伝えば、満足するだろう、と思っていたが、そうならなかった。
少し離れたところに駐車し、荷物を搬入。
8歳の長男は戦力になるし、5歳の次男、3歳の三男もそれなりに役に立つ。
段ボール10個くらいあったけれど、2往復で済んだ。
新卒のKさんも出勤し、みんなで陳列開始。
フルーツキャップにりんごを入れて、並べさせたところ、兄弟3人仲良くやってくれた。
「とーちゃん、次は?」
「次何並べるの!?」
と、こちらが追い付かない。
「じゃ、次はデコポン。」
「でこぴんね、でこぴん、並べる!」
「いや、デコポン。」
「でこぴん。」
「いや、デコポン。」
「でこぽん。」
設営が終わると、一目散に、公園の遊具に兄弟三人かけて行ってしまった。
追っかけて、二男と三男に叫ぶ。
「帰りな~。今しか帰るときないよ~。」
妻は、4男と路上駐車した車の中で、待っている。
これ以上、待たせられない。
「帰らない~。”いらっしゃいませ”するの~」と二男、三男。
隣のブースの方が、2歳のお子さんがいるというので、「16時まで持ちますかね、、、?」と聞いてみた。
「持たないと思います。」
「―僕もそう思います。」
だが、言うことを聞かない。
考え方を変え、長男を呼び、「お前、こいつらの面倒見れるか?」
「うん、見るよ。」ということで、それを信じることにした。
路上駐車中の妻に電話をして、「ごめん、待たしちゃって。”帰らない”って言うから、なんとかするわ。」
「え~?大丈夫?お仕事にならないんじゃ?」
「うん、、、」
あーだこーだ言っても、もう仕方ない。
腹をくくることにした。
空は快晴。
対照的に、私の気持ちは晴れなかった。