北海道の西川さんからだった。
「B品のかぼちゃ、来週分で終了になります。」
「そうですよね、もうそういう時期ですよね・・・。かしこまりました。」
かぼちゃの終了の連絡だった。
9~10月に収穫したかぼちゃ。
もう2ヶ月がたったのだから、限界だ。
「ところで、三つ葉の生産者ご存じないですか?」
「三つ葉って言ったら、となりの東川で作っている方がいると思うけれど?」
「あ、思い出した!譲ってもらったことあります。了解です!ありがとうございます。」
以前、夏の苺でお世話になった農家さんが、冬は三つ葉も栽培している。
ものすごい面積を作っているはずだから、譲ってもらえるかも!
お父様はやや強面だったが、息子さんは私と同じくらいの歳で、寡黙だが、いわゆるイケメンの良い人だった。
事務所に電話する。
「わかりました。確かにお取引したことがありますね。社長に伺ってご連絡するようにいたします。」
とのご返事。
気になったので、
「社長は、もしかして延友さんですか?」
「あ、はい、そうです。」
「代替わりされたんですね。」
なんとなく気分が高揚した。
1時間もたたないうちに、携帯電話がなった。
その延友さんからだった!
「大変ご無沙汰しています!」
「こちらこそご無沙汰しています。」
落ち着いた声。
けっこう懐かしい。
夏の苺の時には、かなりご面倒をおかけしたし、百貨店のお中元の紙面に出していたので、お互い、かなり苦労した。
「三つ葉の生育は順調ですか?」
「はい、大丈夫です。」
「少しなんですが、お譲りいただけますでしょうか。」
「大丈夫です。お出しします。」
毎年、三つ葉については少し緊張するので、ほっとした。