ちょっとポカがあった。
りょくけん松屋銀座店に週に3~4回、立っている。
見ると、首脳陣のエプロンがボロボロだ。
利益に直結しない経費は使わないと決めた3年間。
今期も、基本的なスタンスはそこだが、売場のエプロンは買うことを決めた。
直近の発注書を見返すと、2010年の日付だった。
「7年も使わせていたのか…。」と反省。
きれいな新しいエプロンを店長や販売スタッフに渡すと、どこかに満足感があった。
先だって、厨房に足を運んだ時。
「厨房にもエプロン買ってくださいよ。」と一人の女性スタッフに言われた。
「そんな…。買ってと言われてすぐ買えるもんじゃないですよ。」と返してしまった。
「なんで売場は新調してもらって、厨房は何もないの?」
「最初のルールで、売場の制服はエプロンと三角巾が支給と決まっているの。それだって7年ぶりに買ったんですよ。」
「7年ぶりっていうか、エプロンは、厨房では買ったもらったことないですよ!」
「それは制服じゃないからですよ。厨房はコックコートと靴を支給しています。」
「じゃあ、コックコートと靴を買ってくださいよ。」
なんだかそのままヒートアップ…。
ちょっとした言い争いになってしまった。
野菜惣菜=ベジデリカは、(株)りょくけん東京の稼ぎ頭で、すべての売り上げの1/3を占める。
それを作成してもらっている厨房スタッフは、とても重要な存在。
でも、週3~4回働く売場のスタッフと、週3回一緒に働く通販スタッフと比べると、明らかにコミュニケーション不足。
ちょっとした認識のずれが、大きな不満につながってしまう。
そして今回は明らかな私の不手際。
売場では一貫して制服を、エプロンと三角巾と決めて支給してきたが、厨房スタッフさんには、靴を支給したり、ズボンを支給したり、最近は三角巾を支給したり、ルールが一定でなかった。
機能性と見た目に最も影響を与えるエプロンとコックコートを支給することに決めた。
決めたら選ぶ。
基本、買い物は好きで、自分が気に入ったものを、納得のいく品質と価格で探しまくる。
コックコートはカツラギというやや厚めの生地が普通で、冬は良いが、夏はいくら室内の空調が利いていても、暑い。
夏用のコックコートがないか、探してみたら、存在する。
生地がワイシャツのような薄手の生地で、半袖。
スチームコンベクションを扱うことを考えると、火傷しやすいので長袖にしようかとも迷ったが、夏を快適に過ごしてもらうためにも、薄手、軽量の半袖のものに決めた。
エプロンはダークグレーも考えたが、料理人らしい白か黒にしようと決めた。
そのうえで、格好良さを考えて黒地にした。
この間、たくさんのユニフォームを気にしてみてきた。
そういう意味で、百貨店内は、ユニフォームを着ている方だらけで、良い展示場だ。
「あれは、何社のパイピングのコックコートだ、とか、なるほどグリーンにこういう刺繍を入れると、こう見えるかのか。あの刺繍は4色も使っていてすごいな」とか。
お店への帰属意識や一体感を出すために、刺繍はほしいなと考えた。
ならば、いろいろなお店のものを見て、新たにお取引をするよりも、すでに型ができている、既存の業者さんにお願いしようと決めた。
そして色だ。
刺繍の単価は、糸の色の数と刺繍の面積で決まる。
面積が広ければ広いほど高くなる。
刺繍の糸の種類が多ければ掛け算で高価になる。
りょくけんのロゴは、4色使いなので、たかくつく。
単色にすることにして、緑か赤の文字でりょくけんロゴを入れようと決めた。
コックコートとエプロンのどちらに刺繍を入れるか結構迷った。
従来の型がエプロンにしか流用できないのが分かって、エプロン委刺繍を施すことにした。
「黒字に緑と赤が良いんだけど、どちらが良いですか?」
何度か厨房スタッフさんに確認し、緑にしようと思っていたが、メーカーからわざわざ電話があり、
「黒に緑では目立ちませんよ。本当に良いんですか。黄緑とかいかがですか?」
という内容だった。
「では赤は?」と聞くと、
「赤は良いですね。目立ちますし、素敵です。」と聞いたので、黒地に赤、と決めた。
傳馬屋(ユニフォームメーカー)の対応は早く、その後、すぐに会社に届いた。
なかなか盛り上がる仕上がり。
厨房のスタッフさんが喜んでくれると良いな。
手渡す前に、ちょっとだけフライングで画像で紹介。