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小林 智斉さん |
「ところでベビーコーンはどちらに?」とりょくけんスタッフ。
「ベビーコーンはまた違う畑ですよね。間引きするタイミングのとうもろこし畑が別にあって…」と私が言うと、
「ここですよ、今ちょうど収穫しているのは。」と小林さん。
「今朝、収穫して(りょくけん松屋銀座店に)送った分は、この畑から取ってます。」
とうもろこしは、トマトなどと違い、おしべが伸びきると、上への成長は止まる。
花粉が出て、めしべであるひげに受粉して、とうもろこしの部分が肥大する。
十分に大きくなった”未熟果”を通常は食用にする。
少し脱線するが、完熟果は、そのとうもろこしを、そのままにしておくとカラカラになったもの。
種子あるいは、動物の貴重な飼料になるし、コーンスターチも、この完熟果を粉にしたものだ。
身近なものとしてはポップコーンだろうか。
アルミの鍋にとうもろこしの完熟果が入れたり、火にかけるとポップコーンにできるようになっているものがあった。
しかしてベビーコーンあるいはヤングコーンとは?
とうもろこしの茎には、三つ果実がなる。
そのうち、とうもろこしとして収穫できるのは、一番上の、一番最初になった、一番果だけである。
そのすぐ下にできる二番果が、ベビーコーンだ。
とうもろこしで言う芯の部分までやわらかく、ほっくりとした甘さがある。
生でも食べられる。
「普通の農家さんは、『めんどくせー』とそのまま畑に捨てちゃうんですけどね。」
ベビーコーンは労働集約的になってしまうので、経済栽培にしている農家は極めて少ない。
「でも、一本10円としたって、12万本植えているから、120万になりますからね。」とさらり。
一般企業の経理を務めていた経験がキラリ。
ベビーコーンが取れ始めてから、おおよそ2~3週間で、本当のとうもろこしも収穫となる。
だから、一作型内のベビーコーンの終盤の収穫は、とうもろこしの序盤の収穫と重なるわけだ。
ちなみに3番果も地面すれすれにできる。
「これは、もう、美味しくないですね。」と小林さんが解説してくださった。
試しに、”八百屋ではたらく食育ロッカー”という本業を持つりょくけんスタッフ今井さんと一緒に食べみた。
葉っぱをむいてみるとやや白っぽいが、ベビーコーンの形をしている。
「う。」
芯だった。
固いうえに、あの、とうもろこしのまさに、”芯”の味だった。
「これはダメだね。」
「ダメですね。」と二人で合点。
なんでも試してみるものだ。
しばらくとうもろこし談義をした後、梨の畑に移動。
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りょくけん女性スタッフに大人気だった麻衣さん。 |
「きれいな奥さんだね~」
「麻衣さん、美人~」
「ね~」
と女性スタッフが女子トークに花を咲かせている。
対照的に、少数派の男性スタッフは、まったくそのことに触れない。
色気がないというか、心に決めた人がいるからか。
言われてみると、みんな硬派だ。
「あ、棚になってるんだ。」
「へえ~。」
意外にも都会っ子のりょくけんスタッフ。
そういえば、関東以外の出身者は少ない。
梨がなっているところを初めて見る人もいた。