「メェー」
「あれ?ヤギいましたっけ?」
「今年の5月から飼い始めました。いやあ、良いですよ。除草に一役買ってくれてます。」
「あ、草を食べるんですね。」
「そうです。基本的に、草なら何でも食べますが、好みはあるようです。この残っている草は、食べないんでしょうね。」
「へ~。」と一同。
「おなかがまん丸ですが、ご懐妊では?」
「いや、単純に食べ過ぎなだけですね。牛と同じで、4つ胃袋があるので、順番に消化していきます。」
なるほど、4つ胃袋があるので、おなかがパンパンに見えるのだ。
「しかし本当によく食べます。こいつらはおなかが減っていると紙でも食べてしまいます。」
「あ、手紙の歌!」
♪白ヤギさんからお手紙着いた。黒ヤギさんたら読まずに食べた♪
「名前はなんていうんですか?」と一同。
「メイです。」
「あ~ めえめえ啼くからですね!」
「いえ、5月に来たからです。」と冷静な小林さん。
眼鏡の奥がキラリと光った気がした。
5月=Mayが名前の由来。
「トトロと一緒だ。」とスタッフの一人。
ヤギ大人気。
ひとしきりたわむれた後、とうもろこし畑へ。
「この近くに、もろこしの畑も、梨畑も、桃もあるので、歩いて見て回りましょう。」
小林さん、なんだかとても慣れている。
11名の団体さんを連れて行けば、普通の農家さんはここまで冷静でない。
「小林さん、なんかこういうの慣れてます?」
「それは慣れてますよ~。とうもろこし狩りも梨狩りもやってますから。」
そういえばそうであった。
小林さんの旬果市場は、シーズン中、6月中旬~7月10日頃までとうもろこし狩り、8月の上旬には梨狩りを行っているのだ。
そのほか、地元の小学校の食育の授業の受け入れだったり、小学生と一緒に畑作業などもやっている。
観光バスも受け入れているので、それは、やっぱり慣れている。
道すがら、山梨のオリジナル品種”きみひめ”について話した。