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デコポン 不知火 柑橘フェア

商標は?

それでも、商標などは“商”とつくだけあって商業主義かもしれない。

紅まどんな、甘平、媛小春、紅プリンセスを、愛媛県の利権の囲い込み、金儲けのためだと批判するのは、筋違いですよ、あれは愛媛県民の税金で生まれた品種で、そんなに単純じゃないですよ、と昨日、申し上げた。

でも、紅まどんな、紅プリンセスは、もしかしたら、ちょっと商業主義かもしれない。

最も顕著なのは、デコポンか。

ただ、熊本県の尽力を考えれば、それも致し方ないような。

デコポンは商標で、品種名は不知火(しらぬひ、しらぬい)である。
現在は、一定の糖度、酸度の基準を超え、全国の農協を通じて取引されたものであれば、デコポンと呼ぶことが出来る。

長崎県の試験場(現 農研機構の支部)で生まれたデコポンこと不知火は、果梗枝つまりヘタの周りがポンと出た特徴的な形状をしている。
流通時、このデコが段ボール箱の内側に当たって傷むことが危惧された。
また、収穫直後の果実の酸味が強かったため、品種登録されず、経済栽培もされなかった。

だが、貯蔵して酸味を穏やかにする“予措”の考えが浸透し、不知火についても行ったところ、酸味がやわらかくなり、元々持っていた高い糖度と風味が目立つようになった。
この特徴に気づいたのが熊本県の不知火町の柑橘農家だった。

甘夏の名産地だったが、甘夏の需要が伸び悩み、新たな可能性を模索する中で、長崎から育成中の苗木が持ち込まれ、予措と防除と段ボール箱や箱の中の型(モールド)など緩衝材、資材を工夫することで流通中の傷みを防ぐ工夫がなされた。
簡単に言うと、みかんなどがの段ボール箱は10kg箱だが、不知火はその半分の5kg箱。
無造作に重ねて入れ込むことはせず、一段積みなのだ。
こうすることで、出っ張ったデコがどこかに当たることをできるだけ防ぎ、傷まないようにしたわけだ。

その後の、デコポンのご活躍は知られている通り。
私は、中晩柑類で最も成功した例だと思っている。

ただ、デコポンと言う名前は、熊本の果実連が持つ商標。
当初、他の県産のものには使用できなかった。
全国の農協を仕切る園芸連と同意し、農協を通じて取引され、糖度13度以上、酸度1度以下の基準を満たしたもののみ”デコポン”と名乗ることが出来るようになったのである。
これも、理解できる。

見向きもされなかった品種を全国区の人気の柑橘に育て上げたのは、熊本のアイディアと努力だから。

また、不知火は品種的に、ばらつきができやすく、産地によって、畑によって、農家によって、かなり品質の差が認められる。
前述したように、糖度も高いが、本来、酸味もすごく強い。
予措だったり、りょくけんの森さんのように、樹上完熟させたりする工夫をしないと、強烈な酸味が抜けない。

せっかくブランディングさせたデコポンが、そういったばらつきのある他の不知火と同じ名前で販売されてはたまらないだろう。
(そのためもあるだろう、デコポンや不知火には大きな品質差と価格差があるように思う)

りょくけんの場合、福岡の森さんから直接購入しているので、デコポンの登録商標は使用できず、不知火の名称で通している。
森さんはハウスで不知火を栽培しているので、出荷しようと思えば、12月には、デコポンの形はできているので、出荷ができてしまう。
お歳暮需要もあり、最も高値が付く時期である。
でも、森さんは酸味が強いし、それではお客様が喜ばないことを知っており、その時期には取らない。
2026年は、2月末を通り越し、3月頭に収穫した。
私どもとしても、受注しているのに、なかなか出荷できないもどかしさがあったが。

先日、いよいよ初入荷。
とっても美味しいのだけれど、酸味が苦手な方は、酸っぱいと感じるかもしれない。
酸味を穏やかにさせる予措は、基本的に常温においておくだけなので、ご家庭でもできる。
酸味が苦手な方は、少しおいてから、お召し上がりになるのがおすすめだ。