
面白い“オレンジ”が入荷した。
柑橘の大きな系統は3つ。
1.オレンジ類
2.タンジェリン類(みかん)
3.文旦類(ポメロ)
この分類で言うと、正しくはオレンジではない。
生産者さんは”のうろくオレンジ”と呼んでいるようだ。

たしかに、外観はオレンジっぽい、ごつごつ固く見える皮だ。
親は、東洋のみかんがアメリカに渡って進化したキングマンダリンと紀州無核。
紀州無核は、いわゆる紀州みかんの中でも種が入らないもの。
みかんの原種は、日本に伝わって、鹿児島で発展した。
(英語で、mandarinのほかに、citrus satsumaと呼ばれる由縁である)
その鹿児島で進化したみかんが、さらに北上し、和歌山で根付き、種なしのみかんが生まれた。
それが、紀州みかん。
現在、流通する日本のみかんの祖になる。
そんな二つが掛け合わさった”のうろくオレンジ”は、オレンジではないし、オレンジとタンジェリンの掛け合わせのタンゴールでもない。
タンジェリン間の掛け合わせだから、単にタンジェリン、つまりみかんだ。
国の育種機関で、ヒットメーカーである農研機構さんで生まれた品種で、正しくは…
かんきつ中間母本農6号
と言う。
中間母本(ちゅうかんぼほん)とは、育種する際に、有力な親となりうる品種として登録されたもので、その6番目だったのだろうと思われる。
生産者さんは、かんきつ中間母本農6号を縮めて、のうろくオレンジと呼ぶことにしたわけだ。
ーオレンジかどうかはさておき。

いくつもの、掛け合わせが農研機構さんでは育種され、そのほとんどがものにならない。
かんきつ中間母本農6号だって、登録されなくても良かったはず。
いわゆる経済栽培用の品種として登録されなかった理由は、3つくらいあるようだ。
1.皮が厚く固いので、手で剥けず、消費者に受け入れられない。
2.皮を剥く際に、有用成分ではあるのだけれど油分が手に付き、汚れる。
3.小粒のため、農家さんは収穫量が見込めない。
だが、食味が良く、じょうのう(=うち袋)が薄く、果肉自体は食べやすいことと、有効成分が多く含まれるのが分かったため、今後、育種するのに、有力な親となりうると判断されたため、中間母本として登録されたわけだ。
気候が温暖化する中、この皮の厚さが逆に、生産者の目を引いた。
丈夫なのである。
農薬を使用しなくても生育できる、と試され、今年からいよいよ本格的に収穫が開始されたわけだ。
届いたものを一見すると、小粒のポンカンのような外観。
果肉もしっかりとしていて、人によっては酸っぱいという評価だったけれど、いやいやどうして、甘い。
化学合成された農薬も肥料も不使用。
派手な柑橘も良いが、こういうのもあって良い。

■かんきつ中間母本農6号(のうろくオレンジ) 約500g 864円(税込)