りょくけん東京

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玉ねぎ 社長日記

北海道のジャン・レノ(と勝手に思っている)。

秋の北海道の玉ねぎ。
お師匠の一人、永田氏と一緒に開発して、独自品種“玉灯り(たまあかり)”を契約栽培してもらってきた。
依頼先の北川さんは、中富良野の畑で、玉ねぎ、かぼちゃの他、種苗会社の依頼で、種の栽培もしている。

5年ほど前に、玉灯りの種が出来なくなった、と告げられ、その親である“天心”に切り替えた。

天心は、鱗片が肉厚でやわらかく美味しい。

だが、いかんせん弱く、日持ち、傷み、発芽、発根。
なかなか悩ましい品種だった。

「30年以上前の品種だからね。」

これだけ気候が変動した中で、30年前の品種は厳しい。

今期の品種は、現代の気候に合ったモンスター品種“北もみじ2000”。

厨房で扱っていても、リパックをしていても、明らかに、傷みが少ない。
加熱すると辛みが甘みになり、日持ちも良いらしい。

昨年の旱魃の中、大産地である北海道の北見が大不作。
そのため、玉ねぎの価格は大高騰。

市場価格は昨年の5倍くらい。

さすがに契約した量は出ないのではないかと思ったが、きちんと納めてもらった。
北川さんと話し合い、相場ほどはお支払いできないが、昨年の数倍で折り合った。

環境の変化は、気候だけじゃあない。

りょくけんが置かれた環境も刻々と変わり、我々も独立して小売りがメインだから、たくさんの量を販売するのが苦手。

今年で最後にしよう。

15年ほど継続した契約栽培を断る決意をし、文書と電話でお伝えした。

お叱りを受けるかと思いきや、しばらく労いの言葉を掛けてもらってしまった。
私には相応しくない。

北川さんにとっても、最後の契約栽培の相手だったそうで、どれだけ小売で頑張って来たか想像に難くない、と言われた。
除草剤不使用という条件も、農家として賛同できる栽培方法だったと。

いくつかあった契約先は、高騰した際には契約単価を通され、暴落した時には安く仕切られ、納得いかないことが多かった。
コロナ禍のあたりで、契約は北川さんの方から打ち切った。

「大森君は、そんな中で頑張ってくれた。」

これで縁が切れたと思わず、近くに来た時には、寄ってください、と仰ってくれた。

ひどいことをしたはずなのに、かえって労われ、罪悪感なのか、少し落ち着かない。
ふわふわする日だった。