「わさび、やりたい?」
永田照喜治さんがお元気だった頃、ふと、わさびの話になった。
まだ、お店を立ち上げたばかりで、わさびの産地がなかった。
「良いのあるよ。今度、一緒に行きましょう。」
そんな風に誘われて、静岡の東部、清水からさらに北に行った山の上の集落に行った。

そこが、有東木(うとうぎ)と言う場所。
山の斜面のちょっと盆地のような、霧が立ち込める場所だった。
紹介される方のほとんどが、白鳥さん。
あまりに白鳥さんばかりだから、みんな下の名前で呼ぶのだと言う。
お茶とわさびの産地となっており、特に、わさびは栽培発祥の地なのだとか。
サメ肌の、わさび専門のおろしで擦ってもらったものをその場で食べたら、鮮烈な香りと辛みと、甘みを感じた。
小さな、親指ほどのわさびだったが、本当に美味しかった。
「良いでしょう、大森さん。」と照喜治さんはしたり顔で、満足そうだった。


最上流のため、生活排水が入らない川を利用した、斜面のわさび畑。
照喜治さんによると、上流に、落葉の木が多く、その枯葉などが入り込み、栄養分を適度に川に与え続けているらしい。

わさびの株は、例外的に、1年で100gの立派なものになることもあるが、2年かかるのが通常。
”大物”と呼ばれるわさびが高価になるのは、年数がかかっていて、価値があるからだ。
ところが、掘って、洗って、根っこを切ってみないと本当の重さが分からない。
我々も、発注してみて、どのくらいの重量になるのか読めないのが、難しいところだ。

小物は比較的安定している。
わさびの株は、数年たつと、大きくならず、親指サイズにしかならず、どこにあるか、収穫前から目星も付くからだ。
夏が旬のように思えるが、他のアブラナ科と一緒で、冬が一番甘みが乗る。
冷たい川の水で育った、甘みの強い有東木のわさび。
おススメだ。
■有東木のわさび(小) 静岡県産 1本 432円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/382822.html
■有東木のわさび(大) 静岡県産 1本 2700円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/383022.html