
天空の、と呼ぶにふさわしい産地だった。
山々に囲まれた、頂の一つ。
人の手によって森が切り開かれ、段々畑になっていた。
畑に登るには、道路の脇にあった、はしごを使う。
カメラを肩にかけていたので、はしごにぶつからないよう登るのに少し気を使った覚えがある。

段々畑は三段あり、一番上は田んぼだった。
その下の2枚の畑が、八つ頭。
その他に自家用のきゅうりなどが植えてあった。

生産者の大杉さんは、その名にふさわしく、林業がメインの方だった。
段々と林業の方が頭打ちになり、農業も兼ねるようになったという。
ただ、ほぼ自給自足で生活しているんだとか。

大杉さんが、八つ頭の畑の端に立つと、本当に3枚目の畑に落ちてしまうのではないかと、後ろからついて行った時、感じるくらいの険しい斜面だった。
「八つ頭は文化でね。」
大杉さんは言う。

天龍村でも一つ違う村に行くと、全く食べる習慣がない。
だから、できた八つ頭は、親戚など内内に配って「美味しい」「大きい」と喜んでもらうためのものだったそう。
もともと販売もしていないところ、なんとか分けてもらうようになって、もう10年以上が経つ。

肥料は一切与えない。
与えると、あの緻密な食感がなくなってふにゃっとなってしまう。
土地の合ったものを代々、採種してきたから、気候に合うのだろう、農薬も使用しない。
天竜の、山々の風土が培った八つ頭。
ぜひご賞味あれ。

■八つ頭 長野県産 約500~600g 2160円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/357618.html