有袋栽培と無袋栽培と言う言葉がある。
簡単に言えば、果実に袋を掛けて育てるか、袋を掛けずに育てるか、と言うこと。
果実の肌は、千差万別で、多少、風にあおられた葉や枝が擦れても、全く傷つかないものもあれば、簡単に跡が残ってしまうものもある。
肌が弱い果実には袋を掛けて育てることで、きれいに育つ。
使用する農薬も減らせる、という方もいる。
生育がややゆっくりになり収穫は遅れるものの、日持ちも多少良くなるというメリットもある。

袋を掛けずに育てると、着色が良くなり、同一品種であれば、糖度も高い。
これを前面に打ち出しているのは、サンフジりんごだろう。
袋を掛けずに育てたりんごは、赤く着色し、糖度も高くなる。
逆に、袋を掛けるのが一般的なのが、金星(きんせい)りんごだった。
袋を掛けずに育てると、果皮が傷だらけになってしまう。
袋を掛けて育てると、真っ白とも言えるようなクリーム色に仕上がり、美しい。
でんぷんの含有量が多く、収穫後、貯蔵することで糖化が進み、2月ごろに美味しくなる。

とまあ、そう教わってきたのだけれど、そうじゃない無袋の、つまり袋を掛けずに育てる金星があった。
11月下旬から12月中旬に楽しめる金星。
これが、とても風味があって美味しいのだ。

お味は、西洋梨のような、白ぶどうのような、バナナのような。
時々、蜜も入ることがあり、これがまた絶品なのだ。

2025年も間もなく開始。
ぜひ一度、召し上がってみてほしい。
