
「青りんごなんて、やわらかいからやめなよ。」
先日のマルシェでご夫婦の会話で聞こえてきた。
昨今の温暖化で、赤いりんごが着色しづらくなり、青りんごの育種が盛んになっている。
そのため、蜜入りも、高い糖度も、固い果肉も、日持ちも良い品種が次々と生まれている。
現代のりんごの中で、果肉がやわらかい可能性があるのは、紅玉、つがる、王林の3品種くらいではなかろうか。
それも、収穫からどのくらい経過しているか、どのような保存状態だったかに拠る。
青りんごがやわらかい。
そういう印象を植え付けてしまった品種は、間違いなく、王林だろう。

◎でも、年内は、やわらかくない。
カシッとしっかりした果肉だ。
サイズも大きく、ジューシーで、香りが良い、三拍子そろったりんごだと断言できる。
1927年に生まれたとも言われていて、品種登録はされていない。
1950年代になって、りんご界の王様になるように、と“王林”という名前が付いた。
一世代前か二世代前か、“印度(いんど)”という赤いりんごが人気だったそうで、
時折、店頭でも聞かれることがある。
王林は、この、昔のりんごである“印度”が親で、ふじの味とは一線を画す。

酸味がほとんどなく、14~15度くらいの、コンスタントに高い糖度を持つ。
特に、長野松川町の王林は美味しい。
白ぶどうのような風味があり、とても美味しい。
もちろん、固い。
2023年時点では、ふじ、つがるに次いで、栽培面積が日本第三位だったそう。
今は、そこまで見られないような…。
この美味しさを、広く再びお伝えしたいと思っている。

■王林 長野県産 約1kg(3玉前後) 1728円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/476220.html