何年振りだろう。
焼き栗をデビューさせることができた。
栗を譲ってくれた岐阜恵那の坂元さんにまずは感謝。
前の厨房長が残してくれたレシピを元に、40分ほどスチームコンベクションで焼き上げた。
加熱したぽろたんは、暖かいうちは、ぽろんと皮が剥ける。
ぽろたん栗の本領発揮だ。
渋皮がきれいに剥けると、とても楽しい。
日本栗は、ホクホク感があって美味しいのだけれども、固い鬼皮の下にある、あの渋皮が剥けない。
中国の天津甘栗は渋皮が剥けるのだけれども、日本で栽培したら、渋皮が剥けなくなる。
渋皮が剥けない性質は、日本の気候風土によるもの、と考えられている。
ぽろたん栗は、偶然生まれた品種で、渋皮が剥けることを企図したものではなかったらしい。
そもそも、イガイガから栗を取り出し、加熱して、皮が剥けるか剥けないか、実践して試験するまでが、少し前まで大変だった。
それが、油で揚げると、どの栗でも渋皮が剥けることが分かり、実験スピードが飛躍的に上がった。
その過程で、偶然生まれたのが、ぽろたん。
業界では、奇跡の栗と言われている。
2025年のりょくけんでは、贅沢にも、この栗を焼き栗にして店頭で販売することができるようになった。
栗のお尻部分、”座”と言われる部分を横断するように深い切込みを入れ、40分ほど、あまり焦げないように焼く。
数量があまりないので、見かけたらお早めに。
■恵那のぽろたんの焼き栗 約100g 1512円(税込)