「お皿買ってきてください!」
厨房のスタッフさんから強い要望があった。
オープンした際は、陶器のグラタン皿を10枚そろえた。
ある程度、縁の高さがあり、よそいやすい。
設計した冷蔵什器の内部の寸法に合わせ、26㎝×32㎝のものだった。
現在は13皿、メニューを用意しているので、なかなか我々も頑張っている。
が、陶器は重く、割れる。
20年前に購入した陶器の皿は、残り1枚のみ。
重く、割れることを反省して、2店舗目だった西武池袋店、3店舗目の渋谷ヒカリエShinqs店は、メラミンプラスティック製の皿を選んだ。
催事に出店し、正式出店を目指していた伊勢丹新宿本店もメラミンの皿。
3拠点とも、2014年に閉店させており、今使用している皿は、その3拠点のものを使っている。
メラミンと言えども、割れることはあるようで…。
前述したように、メニュー数を増やしているのに、皿のストックは減るばかりで、、、
スタッフさんによる、冒頭の発言につながったわけである。
朝の厨房業務を終えた後、少し抜けさせてもらい、合羽橋に足を運んだ。
どうも、メラミン製の大きな皿は、ネット上で見つけられないのだ。
で、あれば、合羽橋道具街である。
銀座駅から地下鉄に乗り込み、田原町で降りて、てくてくと歩いた。
工事も多くなり、なんとなく風景も変わっている。
が、合羽橋道具街の入口には、変わらぬコックの像が見えた。
いや、塗りなおしたのか、少しきれいになったか。
合羽橋の通りを歩くと、たくさんのお店があるが、皿選びは、結局このコックのお店”ニイミ洋食器店”が最も品ぞろえが良いように思う。
シモジマよりも向こうまでずっと店を見て歩いたが、結局、この一番最初のニイミさんで、新しい皿を3枚購入した。
ニイミさんで見つけたメラミンの大きな皿。
ネットで調べたところ、インターネット上で販売はされていないようで、なるほど、なかなか見つけられなかったわけだ、と納得した。
それにしても、訪日外国人の多いこと!
行きかう言葉も英語や中国語だけではない。
仕事を抜けて、急いで帰らねばならない自分は半ば殺気立っているのに、本当に楽しそうに日本の鍋や包丁を見ていて、何というか…少し羨ましかった。