りょくけん松屋銀座店で一番人気を誇るトマト、いちごトマト。

いちごトマトが無くなると、銀座店への来客数が減る。
ーと言っても過言ではないほど人気な商品である。
だから、極力、いちごトマトがない時期をできるだけ少なくするように努力する。
でも、いちごトマトがなんでも良いかと言えば、そうではない。
いちごトマトの品種名は、トマトベリーだ。
トキタ種苗さんが育種し、トマト品種の品評会で、世界3位を取得したこともある名品種(?)だ。
だけれども、産地間、生産者間の品質格差が大きい。
以前、りょくけんが4店舗に拡大した際、生産者を増やし、生産量も増やそうとしたことがある。
が、同じ味にはならなかった。
品種名のトマトベリーではなく、いちごトマトの名前で販売するようにしているのは、そんなわけもある。
ただのトマトベリーではない、と。
だから、長らく、北海道の中野さんに夏季を、大分の山﨑さんに冬期の栽培をお願いしている。
ただ、北海道でも夏の猛暑が避けて通れず、ここ数年、9月で樹がへばってしまい、収穫終了になってしまった。
9月後半から、大分のいちごトマトが始まる11月下旬(早くて)まで、人気商品が無くなってしまうのである。
それを防ごうと、中野さんには、二作に分けて作ることを提案した。
すなわち、長くなった北海道の秋に収穫できる後作を植えてもらったのである。

これで、先に植えた方の木が9月にへばっても、あとから植えた木から収穫ができると考えたのだけれど、
今年の北海道の夏の暑さは、それを越えてしまった。
後作も、枯れてしまったのである。
夏の暑さが定着した分、短かった北海道の秋が長くなっているのは事実。
高糖度ではない、糖度6度のトマトは11月まで収穫できるようになっている。
真冬の訪れが遅くなっているのだ。
その傾向から、後作で課題を解決しようと、知恵を絞ったけれども、自然と言う天命には勝てなかった。
2025年の中野さんのいちごトマト。
今期終了である。
我々も打撃だけれど、農家さんも大打撃。
責任を感じてしまう。