青森を訪ねた際、農家さんたちが口をそろえて「今年の青森は暑い。」と仰っていた。
ジューシーで美味しいなあと思って食べたパプリカ。
厨房でずっと切っていたら、外観は何でもないけれど、内部に障害が出ていた。
黒ずんでいる。
黒カビに思われる症状だけれど、高温によるカルシウム不足だ。
植物が細胞壁を作る際、カルシウムなどの微量栄養素が必要になる。
ところが、気温が上がり過ぎると、栄養の吸収力が下がり、カルシウムがそこにあっても
うまく消化できない。
うまく細胞壁が出来なかったものが、写真のように黒ずんでしまう。
痛みやカビではなく生理障害というやつなのだけれど、結局はここから先に腐っていく。
きれいにトリミングすれば、なんら問題はない。
農家さんの方でも、太陽に透かして、見えるレベルのものははじいている。
が、どうしても分からなかったものが、こうして混入する。
ただ、幸い、青森葉少し涼しくなってきたそうで、症状も落ち着くそう。
ここからぐっと品質は良くなっていく。
パプリカは、ピーマンの3倍の期間をかけて育てることもあり、他にも不思議な症状がある。
中に果実がもう一つ、全体の30分の1くらいの大きさの未熟なものが出来ている事もある。
種が、パプリカの中で結実してしまうようである。
日に当たっていないので、色はほぼ白。
たまに、もう種から離れて、パプリカを振ると中でコロコロと音がするものもある。
食べても体には害がないが、味はなかった。
種から根が出てきているものもある。
樹になっている時間が長く、何かの条件で、発根するのだと思う。
こちらも体に害があるわけでもない。
アマゾンが原生地で、コロンブスたちによってヨーロッパに持ち込まれ、ハンガリーで改良されたというパプリカ。
まだまだ分からないことが多いのかもしれない。