今年は3名の農家さんのワッサーを取り扱った。
マニアックかもしれないけれど、3名ともワッサーの捉え方や育て方が違い、興味深かった。
ワッサーは長野県北部の須坂市の故 中村渡さんが”育種・選抜”した桃とネクタリンの掛け合わせだ。
その由来は1968年まで遡るそうで、今から57年前というから驚きだ。
水野ネクタリンと山根白桃が植えてある畑で出来た果実の種を播き、生った果実に親たちとは違う特徴を見出したもの。
良い樹と果実を選んで、品種の性質を固定し、1990年に品種登録が認められた。
”渡”さんの、小さい頃のあだ名から、”ワッサー”と名付けたそう。
食感はカリカリサクサクほろほろしている。
上手に常温で追熟させると、桃を思わせるやわらかさになる。
糖度は、水分が抜ける分、0.1度くらいは上がるかもしれないけれど、固めで食べても、やわらかくして食べても、甘い。
皮ごと食べて支障ない皮の薄さだ。
長野の成田さんは、ネクタリンの品種リレーの一つとして栽培。
サマークリスタル→ワッサー→晶光→フレーバートップ、ファンタジアとリレーしている。
そのため、やや小玉に育てていた。
2kgで10玉くらいのサイズ感だった。
同じ長野でも、須坂の吉池さんは、黄金桃の早生種として育てていると思う。
間引きを行い、桃に近いサイズ、つまり5kgであれば20玉クラスに育てていた。
2週間後の、本来の黄金桃にリレーするための品種、というか。
長野では袋掛けをしないので、黄色の地色に赤みが差して、外観も食欲をそそる色合いだった。
果肉も、黄色に赤みを差す感じ。
私が食べたものは、15度くらいの糖度があり、とても美味しかった。
山梨の雨宮さんは、完全に桃として育てていると思う。
5kgで、16玉と大玉で、最も違うのは、袋を掛けて育てること。
白っぽく、うっとりする美しさに仕上げていた。
食感は似ていて、最初はサクサクほろほろ。
カリカリした食感だった。
三者三様の作り方。
でも、どちらも今年はとても美味しく、面白かった。
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■ワッサー 長野県産 約1kg 2808円(税込)~
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