りょくけん東京

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レタス ロメインレタス

沖揚平にて2。

二人の男性社員。
お二人とも私より若い。
一人は30代。

「せっかくだから、畑を見ていかれますか?ちょうど僕ら帰り道のところに、今収穫している畑があるので。」
「良いんですか!? 明日も早いのでは?」
「大丈夫です、僕ら5時からなんで、ちょうど今、今日やりたい作業は終わったところですし。」

”やりたい作業”という言葉に魅かれた。

被雇用の方だのに、言われたことをやるのではなく、自主性を持って、仕事をしている、ということだ。

二人の車に先導してもらい、レンタカーの踵を返した。
驚いたことに、トンネルの側面の壁に出口があり、その向こうの、1町弱の斜面に、レタス畑が広がっていた。

これは一人ではとても来れなかったと思った。

「草ばかりで恥ずかしいんですが。」

栽培中の除草剤不使用をお願いしているので(最近は、柑橘&にんじんで断念しがちだけれど)、見慣れた風景。
だったけれど、レタスよりもずっと高く立派に伸びた草が方々に生えており、ちょっとおもしろかった。


その旺盛な草に負けじと、足元で、健気にレタスが頑張っていた。
時間は17時を過ぎたところ。

夕日に当たって、レタスもきれいだし、光を浴びたサニーレタスは特にきれいで、緑と赤の畑はとても美しかった。

「ロメインレタスもありますね。欲しいな…。」
「ありますよ、ぜひ。あ、山田社長に聞いてみてください。」

ちゃんとしている。

「そうだ、最初に言わなきゃいけませんでした。レタスもなんですが、豆もやし、本当に有難うございました!」

2月のある土曜日。
満天青空レストランさんで、山田さんたちの豆もやしが取り上げられ、空前の大ヒット。
いつもの400倍のアクセスが、弊社オンラインストアにあり、恐るべきスピードで注文が入ったのだ。

もやしは、種を植えてから60日ほどかかるレタスと違い、10日ほどで収穫できる。
放映後、種まきを増やし、増産してくださったのだ。

「でも、山田さんは、とても効率の悪い野菜だって仰ってました。」
「あ、はい、そうです。もやしと言っても我々、土で作っているので、一本一本、土を洗って落としているんですよ。」
「おお!あの一本一本を!」
「はい、その後、乾かして、袋詰めして、、ってやっていくと、かなり大変で。レタスだとそこまでかからないので。」

なるほど、かなり労働集約的な作物なのだ。

「あ、そういえば、番組の中で、調理していた方ですね!」
「あ、はい、ボクです。」

私が興奮している様を見て、退勤後だというのに、もうひとつ畑を案内してくださることになった。

「もう一個、畑、見ていきますか?」

車で、来た道を少し戻る。

ここも1町あるだろう。
ゆるやかな斜面で、起伏に富む中に、レタス、サニーレタス、じゃがいもが植えてあった。
じゃがいもは花が咲いているものと、咲いていないものとあり、それまた美しい。


畑の向こうには、岩木山が見え、反対の方向を向くと、八甲田山が見える。

「ここが、たぶん我々の畑の中でも一番、景観が良いというか。」と紹介してくださった。

このレタスの収穫がしばらくして終わると、今度は白菜を植えていく。
短い夏と秋の間、雪が降るまで、二毛作を敢行するわけだ。

車に戻って栽培計画を取りに行ってくださり、見せてくださった。
クリアファイルに、エクセルで作った計画表がきれいにまとめてあった。

楽しくなった。

「退勤後なのに、本当に有難うございます。引き続きどうぞよろしくお願いします。」と言って、別れた。

心が充実していたのが自分でも分かった。

沖揚平から青森空港までは車で1時間半くらい。
20時40分発の飛行機が、まさか1時間以上遅れて出発し午前様になるとは、その時は夢にも思わなかったわけだけれども。