「今、羽田つきました。事務所に向かいますね。」
熊本のスイカ名人、内田さんが上京。
りょくけんの事務所を訪ねてくださった。
農家さんがいらっしゃるのは、あまりない。
そして、けっこう重要な案件の時があるので、緊張する。
・値上げ
・栽培断念
・品種変更
実のところ、先々月、熊本にも足を運び、少しご挨拶したばかり。
その際にお話ししたことを総合して、どの件だろう?とネガティブなことを想像してしまう。
14時半ごろ、お約束より少し早めに事務所にお越しいただいた。
半袖Tシャツに、ハーフのジーンズ。
内田さんは私より少し年上なのだけれど、とても若く見える。
私の杞憂は、全くの杞憂という訳ではないけれど、内田さんのお話をまとめると以下のようなものだった。
・スイカの栽培面積は減らす。
・4月収穫の小玉スイカを栽培するかも。
・8月から大長なすを収穫、出荷する。
内田さん自身は元気なのだけれど、貴重な労働力だったご両親が高齢になり、
農業経営の変換の節目になっている、と言うことだった。
老朽化したハウスもあり、いくつかのハウスを壊すのと、立て直しもあり、
栽培面積としてはマイナス800玉分の畑が減ることになる。
スイカは重い。
「え、あのスイカ、奥様も収穫するんですか?」
「ええ、しますよ。」
美味しいスイカはとかく重い。
収穫作業のメインは、内田さんと奥様。
意外だったけれど、サッカーに没頭する息子さん二人を育て上げた方だから
きっと大丈夫なんだろう。
4月の後半から、内田さんのスイカは収穫が始まるのだけれど、どうしても小玉傾向なので、その分、小玉スイカでも良いかも、と思い始めたそう。
栽培日数も短いのと、大玉よりはずっと軽い。
品種も進化し、以前はマダーボールと言う、美味しいけれど、割れやすい品種が主力だったが、今は、選択肢も実に多い。
小玉スイカは、戦略的に、私も欲しいと思っていたので、嬉しいご提案だ。
内田さんの畑の地域は、8月以降の台風の通り道になるので、台風前の時期に
年間の収入を集中させてリスクヘッジをする。
8月以降は、毎年、実験のように、色々な作物を作っている気がする。
昨年は秋スイカ。
一昨年前は、メロン。
その前は、ゴーヤだった気がする。
今期は、長なす、それも黒紫という大長なすを植えたそう。
やわらかく、見た目もインパクトのあるなすだ。
楽しみ。
出発の際は、事務所全員で見送らせていただいた。
それくらい、当社スタッフも内田さんのスイカが好きだ。
それにしても。
少し前まで、みんな大先輩だった農家さんたちも気が付けば、同じ年代の方ばかりになった。
そして、どう経営していくかの話をするようになった。
皆、必死に考えて、一つでない選択肢を前に、悩み、実行している。
私も頑張ろうとまた思った。