りょくけん東京

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メロン

代々のメロン農家として。

「時間、大丈夫ですか。もうひとつ、ぜひ見て行ってください。」

そういって案内されたのは、最新の設備を備えたビニールハウス。

6連棟でむこう20~30年は張り替えなくて良いビニールに、丈夫そうな鉄骨の最新鋭のハウスだった。
ここ数年。

何年かに一回、大きな大きな台風が日本を襲っている。
風速60mにも耐えられるハウスを建てたのだ。

温度も設定しておけば自動で暖房を炊いたり、屋根も開く。

気温も記録してくれる基盤付き。

年末のお歳暮に向けたメロンは、このハウスで育てるのだ。
大きな台風の警報が来たとしても、これであれば、中で安心して作業ができる。

台風が来た時に一番怖いのはハウスの倒壊だ。
それを避けるため、農家さんはビニールを剥ぐ。
ビニールごと風に煽られてハウスのパイプまで持ってかれるのを防ぐためだ。

台風警報が出た時に、農家さんは何をドキドキするかというと、このハウスのビニールを剥ぐか剝がないかの判断だ。

剥げば、ハウスは守られるが、メロンは全滅が確定する。
剥がなければ、ハウスが倒壊するかもしれないリスクとともに、中のメロンはもしかしたら、守られる。

そんなギリギリの判断を迫られるところ、この最新鋭の鉄骨ハウスがあれば、堂々としていられるわけだ。

建設には、ちょうど農閑期だったので、津田さんも携わったのだとか。

「この鉄骨の基礎、自分がやったんですよ~。」

なんだか良いものを見せてもらった。

「最初に見てもらったハウスの隣のハウス。あそこも青肉のメロンが植わっているんですよ。タカミかな?」
「へえ~。」
「母が自分で植えてまして。」
「ほお~。」
「『私はメロンしか作っきらんたい』って。」

代々のメロン農家の矜持だ。

赤肉のとっておきの津田さんのメロン”マリアージュ”。

ご家族の思いも受けながら、大切に販売していきたい。