高松空港は、姉の結婚式以来だった。
20年ほど前の事。
四国の他の空港が海沿いにあるのに対して、高松空港だけは山の中にある。
四国の中央からやや東に位置し、香川県だけでなく、徳島県にも、愛媛県にも足を延ばしやすい。
各方面へのリムジンバスも充実していたように思う。
うどんと芸術の県であることも積極的にアピールしているのが良く分かった。
空港からレンタカーの営業所まで行く道すがらだけでも、アートっぽい建造物や作品がいくつか見えた。
瀬戸内海の島である“直島”の成功例を踏襲しているのだろう。
レンタカーに乗り込み最初の目的地に向かう道沿いには、5分に一回くらいうどん屋が見え、本当にうどんの需要が高いのが伝わってきた。
十件目くらいのうどん屋さんを見かけ、駐車場も広かったので、たまらず入店した。
朝5時半に朝食を済ませている。
すでに空腹を感じてしまったのだと思う。
かけうどんに、かしわ、なすのてんぷらを付けてほおばった。
香川県は、瀬戸内気候の典型で、雨が少ない。
ため池はいっぱい見かけたし、稲かな?と思うと麦が多かった。
麦は乾燥している気候の方が合う。
なるほどなと思った。
また、ボコンボコンと富士山型の小さな山が平野にある。
あれは、古墳なんじゃないかと思った。
道の駅も多い。
財田(たからだ)という道の駅には寄らせてもらった。
この道の駅を通じて、メイポメロと言う文旦を譲ってもらったことがあるからだ。
八朔と文旦の掛け合わせで、内袋がぽろぽろと剥け、サクサクした食感が美味しい。
今年はちょっとあきらめてしまったのだけれど…。
道の駅はとても混んでいて、農作物も多く販売されていた。
柑橘は、河内晩柑、甘夏の他、セミノールが出ていた。
メイポメロはないかなと思ったら、一番奥のコーナーに見つけることができ、購入した。
空港の回りのハウスはアスパラガスが繁茂していたし、土目を見る限り、りょくけんの好みの赤色。
ホロホロと崩れる感じが見て取れ、またもう少し勉強したいと思った。
山を越え、いよいよ、徳島県に入る。
吉野川と言う大きな川がある。
その両脇にまた山脈が連なるのだけれど、川の流域は開けており、集落も多かった。
「来たらびっくりするような山道ですよ。」
そう農家さんに脅かされていたけれど、いやいやどうして、確かに道はまっすぐではないけれど、きちんと舗装された快適な街道だった。
吉野川の支流に入るとやや山深いエリアに入ったけれど、それでも道はきれいだった。
すごく不思議だったのは、高い山の険しそうな中腹にも、立派な家がいくつもあって、集落が形成されているのが見えたことだった。
道沿いに家があるのは、もちろん理解できる。
でもなぜあんなに不便そうなところにも家々が立ち並んでいるのだろうと不思議に思った。
すごい山道と言えば、同じ四国の高知の高原にあるトマトが、チャンピオン。
あの山道は、少しハンドリングを間違えたら落ちるなと思った。
それに比べれば大丈夫、なんて思っていたら。