ユニクロの店舗でも、OJTとか、教えるのは大好きだったし、半年に1回ある店長研修も大好きだった。
でも、決してうまく行ったわけではない。
八百屋さんも、結局はつぶれてしまった。
これは神様が「お前には商売は向いていない。」と言っているのだと思った。
私は、外国学部を卒業している。
なんとなく、外交官には憧れがあった。
父も母も教職ではあるが、公務員。
年齢も28歳になるところだったから、あと1年だけ受験のチャンスがある。
そんな道も考えつつ、ずっと見に行きたかったピラミッドを見に行くことにした。
チュニジアに妹が留学中だったので、顔を見に行きがてら、エジプトに立ち寄ることにしたのだ。
気温50度を超える中、手に持った”地球の歩き方”の価格表示はことごとく異なっているし、どのホテルも、お店も、価格表が出ておらず、なかなか大変だった。
そして、アラビア文字が読めない。。。
数字表記も違っていたので、おいそれとバスにも乗られない。
それでも、満員の地元の乗り合いバスに乗って、初めて見たピラミッドは、壮大だったし、カルタゴ遺跡も、印象的だった。
妹に勧められた、砂漠も美しかった。
そんな折、道端で、生のオレンジを搾ってジュースを売るご老人がいた。
喉も乾いていたので、一杯いただくことにした。
喜捨だ、外国人価格だ、様々な理由で、ぼったくられていたから、まあ、今回も、と思ったら地元の方と同価格と思われる価格を言われ、きょとんとした。
手を開き、それ以上は、俺はもらわない!という仕草を見せた。
素直なのか、天邪鬼なのか、B型人間なのか。
搾りたてのオレンジジュースを飲みながら、思った。
負けていられない。
誠実に販売している人もいれば、この外国人からいくら巻き上げられるか?と手ぐすねを引く人もいる。
みんな、必死に稼いで、生きようとしているのだ。
このまま負けたままで良いのか?