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温湯温泉黒千石もやし。


夏のレタスを求め、辿り着いた地が、沖揚平(おきあげだいら)だった。
青森県黒石市の市街からは離れた、赤土の高原で、戦中戦後に、大陸から引き揚げてきた人たちが開墾した。
そのため、沖揚平と名付けられたとか。

よそ者はなかなか受け入れられない雰囲気があったそうだが、そこに飛び込んだのが、山田さん。
山田さんは神奈川県藤沢市出身。
同じ湘南地区である茅ケ崎市出身の私は、山田さんが青年海外協力隊として、アフリカのボツワナに行っていたこともあって、勝手にシンパシーを感じている。

沖揚平が赤土なのを目にした時には、赤土好きのりょくけんとしては、とても嬉しかった。

今や、山田さんは複数の従業員を抱え、夏は、それこそ寝ることなく働き続ける。
夜中の2時にライトを照らしながら、レタスやキャベツ、ブロッコリーを収穫するのだ。

午前中には箱詰めも終わり、冷蔵庫に保管し、出荷業者を待つ状態になる。

でも、そんな山田さんの悩みは、冬の産業だった。
常時雇用をしている限り、夏だけ仕事があってもダメなのだ。

ひとつは雪室に保管したじゃがいも。
越冬させたじゃがいもは抜群に甘くなる。

そして、もうひとつがもやしだった。

大面積を持つ農家の間では米と並び、自家用に大豆も育てていることが多い。
その豆に水をやり、遮光して、もやしを作ることは、私たちが知る以上に、一般的なことだったらしい。

山田さんはそこに注目し、雪が何メートルも積もる冬の沖揚平で簡易のハウスを作り、もやしを育てた。
温湯温泉と呼ばれる温泉地域でもあり、少し掘れば、温泉が湧き出た。

湯温が20度くらいなので、正確には冷泉なのだが、雪が降り積もる冬の沖揚平では、恵の暖かさで、冬の農作業としては最適だった。

ミネラル豊富な冷泉で育てたもやしは、味があり、美味しい。

大豆にもこだわった。

幻とも言われる北海道土着の品種、黒千石大豆を、種として使ったのだ。
一般的な黒大豆よりも二回りほど小さい極小大豆で、中身は緑の大豆。
一度は栽培が途絶えた後、28粒の発芽に成功し、今ではリンパ球を刺激する成分があり、免疫を活性化すると注目されている大豆だ。

当初は、自分たちで植えて採種していたそうだが、夏の作業が軌道に乗り、多忙を極めるので、現在は北海道の組合から購入している。

しゃぶしゃぶなどの鍋物や、ラーメンの具材として、地元では活用されているそう。
私も、炒めるより、短時間、ゆでたり蒸した方が美味しいと思う。

豆好きなので、先端についている豆は、特に美味しいと感じる。
ぜひ堪能してほしい。


■温湯温泉黒千石もやし 青森県産 1袋 432円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/327902.html

普通の施設で、水耕栽培されているもやしにくらべ、10倍のお値段だが、その価値は十分にある。
ちなみに、今週明日から発送の野菜定期便のラインナップに入っている。

■りょくけん野菜定期便 S~Lサイズなど 2592円(税込)~
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/209283/list.html