りょくけん東京

りょくけんだより
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佐賀行きの朝。

うーん、時間大丈夫かな。
夢現の中、そう思ったのは、今思うと、えらいんじゃないかと思う。

暗闇の中、時間を見ると 5:45だった。
5:10にセットしていたはずのアラーム。

ーならなかったのか、セットし忘れたのか。

5:54発の電車に乗って、成田空港に向かうはずが、これでは間に合わない。
どうしよう?

様々に私の代わりを務めてくれることになった方たちの顔が浮かぶ。

ー進むしかない。

急ぎ、礼服を父が寝ている寝室に取りに行き、黒ネクタイを暗闇の中から見つけ、寝癖を直し、着替えた。
父は教職だった。
引退後も、縁が合って、教鞭をとっている。
学校が遠く、宿泊がとれない時に、我が家に泊っていくのだ。

ただ、昨晩も遅かったので、私は結局、顔を合わすことがなかった。

成田発が7時40分の飛行機。

だが、LCCである。
少しでも遅れると、乗せてくれない。

「今日、車使う?」と妻に聞いたが早いか、少しだけ迷った後、自家用車を繰り出すことにした。

ー悪い、勝手で…。

心の中で妻に謝った。

自宅から空港まで50分ほど。
これなら十分に間に合う。
成田空港の駐車場代は、意外と安く、丸一日停めても2000円台だ。
後は、渋滞…。

日の出前の、道路状況は、いつもに比べれば、だいぶ空いている。
成田空港が近づくにつれて、少し混んだけれど、6:45分、無事、成田国際空港第二ターミナルの駐車場に着いた。
前回、駐車場を利用した際には、駐車券を紛失したので、大切に、車の日差し除けの収納場所にしまった。

チェックインは30分前に切られるので、そこから超速足で第三ターミナルに移動。
今一つ、この駐車場から歩行者の、外への出方が分からない。
車が通ってきた道を突っ切り、道なき道を進んだ後、第二ターミナルから正式な徒歩ルートをとって、第三ターミナルに突き進んだ。

第三ターミナルについてすぐ、座る場所を見つけたら、パソコンを開き、飛行機の予約番号を調べた。
無人のチェックインカウンターに向かい、急ぎ予約番号を入力。
名前と便名の確認と、危険物を持っていないか、預ける荷物はないかと確認があった後、即、チェックインが完了。
機械の反応スピードが恐ろしいほどに早く、驚いた。

チェックインさえ完了していれば、LCCも少し優しくなる。

ほっと一息つき、腹ごしらえに、空港内にあるローソンに向かう。
レジは10mほどの列ができていた。

7時台は、LCCのメッカとも言える時間帯で、便数が多い。
有人レジ1~2台。
セルフレジ3台。
外国の団体のお客様など、慣れない方が訳も分からず並び、セルフレジにあたり、使用方法が分からず、停滞してしまう。

ああ。。
自分がサッカー(レジ補助)に入って手伝ってあげたい。。。
志半ばであきらめる方が2~3組あった。

何とか私はセルフレジに辿り着き、ささっと操作。
7:10分。

「福岡行ジェットスターG503便、ただいまをもって搭乗手続きを締め切らせていただきます。」とアナウンスが流れた。

我ながらドキドキする。

前述のように7時台は、LCCの発着が多いので、荷物検査場が恐ろしく込み合う時があるので、その列を確認するまでは、まだドキドキする。

少し歩いていくと、開通しているチェックの列が5列ほどあり、スムーズに流れているのが見えた。

ほッ。

手荷物を開け、上着を脱ぎ、ペットボトルを出し、金属探知機のゲートをくぐった。
無事に潜り抜け、いよいよほっとした。

ずっと我慢していたトイレに寄り用を足すと、どうやら、私の名前が呼ばれている。。。
搭乗予定の飛行機まで、どうやらバスの移動だったようで、その締め切り時間が、私が思っていたよりも早かったのだ。

そそくさと172番搭乗口まで行くと、誰も並んでおらず、ひもで封鎖されている。

一瞬、やっちまった!と思ったけれど、「福岡行きにお乗りですか?」とグランドアテンダントにお兄さんが訪ねてくれ、頷くと、笑顔でさっと開けてくれた。

渡り廊下を抜けると、オレンジと白のツートンカラーのバスが待っており、ガラガラの社内に乗り込んだ。

これで、大丈夫。

わざと自分を安心させたのだけれど、なかなか出発しない。
定刻の7:40分を過ぎたのでは…?

ようやく、飛行機のタラップに辿り着いて、搭乗。
チケットを見て驚いた。
15A。
窓側だ。

でも、絶対寝よう…。
今日持たない。
心に決めて、座った。

「搭乗に時間を要したため、本日は出発が遅れる見込みでございます。」と機内アナウンスが流れた。

二時間前に、寝坊した、あの時のことを考えれば、極めて上々か。

寝坊したことも。
車で成田に行くことも。
第三にはなく、第二ターミナルにしか駐車場がないことも。
第二ターミナルから第三ターミナルに歩いていくことも。
チェックイン番号が分からなくて乗り遅れたことも。

なんでも経験しておくと、次に生かせるものである。。。

いいや、あえて言おう。

次に生かさなくてはいけないのである。