百貨店の商戦はいくつかあるけれど、2月には恵方巻の他、ヴァレンタインデーも控えている。
毎年、ショコラ○○、銀座のチョコ○○と題して、特設会場が設置され、相当な準備をして期間限定のチョコの祭典が各百貨店で催される。
松屋銀座も然り。
松屋銀座のチョコの祭典”Valentine World 2025”は、かなり通好みだそうで「ここのカフェとコラボしたの!?」とか「このチョコ職人さん、目を付けていたんだよね。」という驚きやわくわくが詰まっているそうだ。
我々、食品売場に居を構えるものとしては、そのマニアックな方たちが、さんざん楽しんで選び疲れた後に「今日のご飯はデパ地下で済ませよう。」となった時に「あ、なにこれ?」と訴えられるものをご用意しなくてはならない。
例年、バーニャカウダやサラダに入る赤い野菜をハート形にくりぬいたり、昨年は、チョコ金柑に挑戦した。
今期は、カカオニブの入ったサラダを作ってみようと画策している。
愛媛の雄である”無茶々園”さんは、研修生の受け入れなどをきっかけにして、海外にも協力園地がある。
具体的にはベトナム。
元研修生や、その園地に魅力を感じた、日本の方も入って、ベトナムならではの作物を作っているのだ。
そのひとつが、”カカオニブ”。
カカオ豆を乾燥、焙煎した後、殻などを取り除いて胚乳だけにしたものをカカオニブ(Cacao Nibs)と言う。
砂糖やミルク、ココアバターなどを加えるとチョコレートになる。
カリカリしていて、苦みや酸味が強く、スパイスの代わりに料理に加えたり、アイスクリームやクッキーのトッピングに使うことが多いようだ。
ベトナムの高原育ちの、こちらのカカオニブは、チョコレートの風味があるものの、酸味や苦みは少なく、ぜひサラダに使ってみようと思いついたわけだ。
チョコの風味から、ドレッシングはバルサミコ酢、具材にはいちごや柑橘がイメージできた。
そうして、試作したのが、St.Valentine Salad(仮称)。
フルーツの美味しさと、バルサミコ酢の熟成された酸味、甘みが、まず美味しく、その後、カリカリした食感のカカオニブに行きつくと、チョコの風味が広がる不思議な感じ。
家族や厨房スタッフ、売場スタッフに食べてもらうと、実に、様々な意見が寄せられた。
くだものを増やせば、原価が上がるし、、、
さあ、どうしよう。