瀬戸田の森野さん。
柑橘名人だ。
同業者でもある、道法さんをして、”日本で五本の指に入る名人じゃ”と言わしめる情熱と腕前。
肥料管理と水分コントロールが、すごい。
市販の堆肥をいくつか混ぜ合わせ、一定期間、天日に干してから園地に入れている。
↑天日干し中の堆肥
水は、地下から汲み上げ、できるだけすべての園地に潅水設備を整えるようにしている。
こうすることで、必要な時に水をやり、抑える時には水をきっちり抑えることができるわけだ。
↑離れ離れの各圃場にも、できるだけスプリンクラーを設置。
「天候に左右される柑橘栽培はしない」
が森野さんの信条。
「一年に一回しかとれないものですから。そこで失敗したら、0になってしまいます。」
個人の農家では珍しく、大型の冷蔵庫もご自宅脇に設置しており、ロスが最小限になるよう努めている。
↑自宅に隣接するお蔵を改造した冷蔵庫
森野さん曰く、代表選手はハウスみかん。
その次は、ハウスせとかとハウス不知火。
この3つは栽培量も面積も多いし、これからも増産計画があるのだけれど、はれひめがほぼ終わって、その次の柑橘類は栽培している面積が少なく、収穫量が少ない。
そしてこのほど、”その次の柑橘”であるプリンス清見こと、”西之香(にしのかおり)”が入荷した。
とろりとした食感で、甘さもあり、さながら粒々ゼリー。
栽培面積が少ないので、今週のみの入荷予定。
もうひとつ期待していた”はるみ”は、今期は0。
はるみは、不知火(=デコポン)と同じ親を持つ柑橘なのだが、隔年結果と言って、一年ごとに豊作と不作を繰り返す傾向が強く、今期は取れなかった。
また、森野さんの信条に反する品種でもあるので、栽培面積も縮小傾向にある。
(何年か後には、無くなっているかもしれない。)
たしかに、はるみは、荒れる。
大小のサイズも様々になるし、食味の良しあしもバラバラ。
「あ、これなら」という年だけ、森野さんも譲ってくれるのだけれど、そういえば、5年に1回くらいかもしれない。
今のおすすめは、西之香(=プリンス清見)。
宮川早生みかんにトロビタオレンジを掛け合わせて生まれた清見に、その親のトロビタオレンジをさらに掛け合わせて生まれたタンゴールだ。
↑清見
×
↑トロビタオレンジ
広島県だけは、プリンス清見と呼んでいる、不思議な(?)柑橘。
ぜひご賞味あれ。
■西之香(にしのかおり)/プリンス清見 広島県産 約3㎏ 4320円(税込)~
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/414134.html