柑橘類の原生地はインド北部と言われている。
その原生地から西に渡ったものがオレンジに、東に伝わったものがみかんに進化した。
そのまま東南アジア周辺で進化したのが、文旦類。
ポメロと言い、大型で黄色の果皮を持ち、独特の、ナリンギンなどの苦みがある。
グレープフルーツがその代表格で、いよかんや八朔は、文旦類とみかん類の交雑だと言われている。
全体的に日持ちが良く、今から4月、河内晩柑まで入れると5月まで楽しめる。
先週、最初の文旦が入荷。
その名を、大橘(おおたちばな)と言う。
栽培している岩井さんが、その美味しさに惚れ、作り続け、自らの屋号にも用いている。
「作るのも大変だし、あんまり売れないんですけどね。美味しいから、という理由だけで作り続けています。」とのこと。
実のところ、水晶文旦の露地栽培のものがないか、お付き合いのある農家さんたちに問い合わせていたところ、「ないけど、大橘はいかがですか?」と岩井さんから逆提案を受けたのだ。
水晶文旦は、おそらく文旦の中で最も食味が良い。
ただ、肌が弱く、ハウス栽培が必須のようで、11月くらいから高価で取引される。
あの高級柑橘をもう少し手ごろな価格で販売できないか?と画策し、そのひとつの答えが、こちらの大橘(おおたちばな)。
元々、鹿児島県で自然に生まれた文旦のひとつで、現地では”サワーポメロ”の名前で売られている。
熊本では、”パール柑”。
文旦は、中国籍の船が鹿児島の西岸、阿久根に漂着して伝えられた。
種が単胚のため、容易に多品種と交雑し、新しい品種の文旦を生む。
サワーポメロやパール柑も、すでに違う性質が出ているのかもしれない。
ちなみに、ザボンやボンタン飴のボンタンも、文旦のこと。
収穫したての今でも、さほど酸味が強くなく、苦みも抑えめで、実に食味が良い文旦、”大橘(おおたちばな)”。
貯蔵していくと酸味がさらにおだやかになり、香りや風味が強くなっていく。
↑うち袋を丁寧に一つずつ、剥いてもとに戻したもの
八朔のようなサクサクした食感と、さわやかな風味、しっかりと感じられる甘さは、とてもおすすめだ。
現代の高糖度のみかんはちょっと、、、と言う方には特におすすめだ。
■大橘(おおたちばな) 静岡県産 約3kg(6~7玉) 3780円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/417722.html