「畑、見に行きます?」
「はい、ぜひ。」
話すのも楽しかったけれど、やっぱり畑を見たい。
特別大きなハイエースに乗り、畑を周った。
「今年は、暖冬なので、、、今日は雪とか降ってますけど、、、前倒しで豊作、収穫が追い付かないくらいなんですよ。ここの列も、けっこうまだ生ってますけど、今日の収穫は終わった場所なんですよ。」
あれ?
もうハウスではない…。
地温が高い指宿は、すでに露地栽培に突入。
しかも今の作型はピークに差し掛かっているという。
「ほら、こっち。こっちは、もっと生っているでしょう。」
たわわに実っているスナップエンドウはいかにも美味しそうだった。
通路を挟んだ向こう側にはソラマメもいっぱい。
「うちのは、除草剤を撒かないから、、ちょっと草がボーボーですけど。」
「大丈夫です。見慣れてますし、ありがとうございます。」
「そうだ、スジナシのスナップエンドウができたんですよ。そろそろお知らせしようと思っていたんですけど。」
スナップエンドウは鞘も豆も食べることができる優れた野菜だ。
ただ、スジとりが必要で、それが、最大の弱点かもしれない。
両端をぱきっと折ってすっとスジをとらないと、口の中に残ってしまう。
ところが、トキタ種苗さんから、そのスジが無い、というか、気にならない品種が出たのだという。
「見ていきますか?」と畑を案内された。
「こう、剥くとスジが少しあるんですけど、、、食べてみてください。」
差し出されたスナップエンドウを食べてみると、なるほど、スジがまったく気にならない。
口に残らない。
これは画期的!
最近、入り浸っているりょくけん松屋銀座店の厨房でも間違いなく喜ばれる革命的なスナップエンドウだ。
2023年秋に一般販売開始となったブランニューな品種。
産地に赴いたことで、とっても良い出会いがあった。
畑の前で湯ノ口さんを撮影。
髪は無くなったのかもしれないけれど、相変わらず男前で、映画ラストサムライに出てくる渡辺謙のようだった。
「もう出ないと、飛行機に間に合いませんよ。」と送り出してくれた。
鹿児島は、渋滞率が全国でもトップクラスだそうな。
そそくさと車に乗り、歩を進めたのだった。
しかし、、、渋滞もさることながら、大変だったのは、雪。
鹿児島空港に近づくにつれて、吹雪のようになり、視界が遮られ、数十メートル先が見えないような天候だった。
飛行機も欠航になるのではなかろうか、と思ったが、空港の周りは降雪が少なく、気温だけが低かった。
飛行機も無事、定時に飛び立ち、ほっと胸をなでおろした。
おかしい、晴れ男のはずなんだが…。
あ、足湯!入るのを忘れた、いや、そんな暇なかったか…。