一昨年のこと。
健康診断で、大腸のポリープが見つかり、切除した。
手術から1年が経ち、経過観察のため、再び内視鏡を大腸に入れた。
良性だった腫瘍の跡が変異してしまう可能性もあるからだ。
内視鏡検査の結果を聞きに大学病院に行った。
9時の予約で、少し待ったが、それでも9時40分ごろ、先生からアナウンスがあり、診察室に入った。
入室しても、ポカンとしている担当医。
パソコンの画面を見ながら、マウスをカチカチと動かしながら…。
「なんでしたっけ?」
私は何を答えれば良いのだろう?と思いながら…。
「どこかから紹介されたんですよね、たしか。あ、そうだ、内視鏡の予約を…」と言われたところで担当医の発言を遮ることにし、
「一昨年、大きめのポリープを切除して、昨年12月に内視鏡で経過観察をしてもらったので、その結果を聞きにまいりました。」と申し上げた。
「あ、そうそう、そうだったね。えっと…」
再度、PC画面に映る私のカルテと大腸の画像を盛んにスクロールするが、なかなか発言が無い。
何千人もの担当の患者さんがいるんだ、仕方ない、と自分に言い聞かせながら、じっと答えを待った。
大腸の白地図が映し出され、何も記入がないのを見て、「あ、大丈夫だね!うん、これなら大丈夫。」
その後、検査の際に撮影した大腸の写真も出てきたので、それを見ながら、説明を受けた。
「ここが、切除した部分ですね。ケロイド状のものがあるのは、内臓で言うかさぶたみたいなものなので、大丈夫です。順調だね。」
「あ、良かった。」と胸をなでおろした。
「これなら、あと一年後に…あ、いや2~3年以内に一度、また見させてもらえば良いかな。」
「あ、はい、かしこまりました。」
「何か質問ありますか?」
あるわけない…。
「ありがとうございました。」と一礼して、診察室を出た。
発見から2年。
やっと無罪放免!