はるかは、日向夏から生まれた。
偶発実生と言い、自然に交雑したと考えられる種を撒いたら、生えてきた果実だ。
枝にはとげがあり、手を入れるのが少し苦労する。
はるかは、外観が黄色。
レモンの影響もあり、なんとなく酸っぱそう。
鮮やかなレモンイエローの外観で、皮は厚くごつごつしている。
花落ち(お尻の部分。へたと反対側。そこに花が咲いていたので、花落ちと呼ぶ)の箇所からボコンと一段膨らんでいるのが特徴だ。
種は多いが、食味がまた特徴的。
酸味がほとんどなく、とても良い風味を持つ。
どのように形容したらよいのか分からないが、”甘いレモン”とでも言うべきか。
「はるかはもう酸抜けも良いかもしれません。」
一玉、樹からとって、手で皮を何とか剥いて、私にくださった。
酸も抜けており、悪くない。
「2月頭、、、中旬から始めましょうかね。」と石丸さん。
実のところ、昨年は収穫がゼロだった。
いや、収穫はしたのだが、次々と皮が茶色に変色し、果実の中身もスが入って、モノにならなかったのだ。
原因は降雪。
収穫直前に寒波が襲い、雪が降り、はるかの表面にも降り積もった。
それでも収穫して貯蔵していたら、上述したように、正品にならず、なくなく廃棄したそう。
今年の北海道もそうだが、”冬でも温暖”とされる場所に寒波だったり降雪があると、作物も弱い。。。
すぐ隣にある媛小春は、最近の私のお気に入りである。
デコポンこと、不知火の形状に似ており、へたの周りがポコンと浮いている(浮いていないものもある)。
こちらも黄色の外観で酸っぱそうだが、糖度が高く、とても風味が良い。
小さいけれど風味の良い、黄金柑と清見タンゴールの掛け合わせ。
清見はデコポンの親なので、へたの周りが一段上がる外観的特徴の要素を受け継いだのかもしれない。
まだ少し酸味があったけれど、手元の糖度計で18.4度を記録。
とても食味の良いものだった。
「今年は雨が少ないので、高糖度、小玉傾向ですね。普段はそこまでいかないと思います。」
「そうですか? 結構、毎年、糖度が高い印象がありますけどね。」
私が写真をカシャカシャ撮っている間も、石丸さんは、摘果や折れた枝の整理をしていた。
「それでも、やっぱり今年は生りが少ないですね、、、一回りこまいですし、いつもの4割くらいになりそうです…。」
柔和な表情がやや曇る。
「ーじゃあ、次、甘平、見に行きますか。」