たまみは、1980年から2003生にかけて育種されたタンゴール(=オレンジとみかんの掛け合わせのこと)だ。
全体的に、みかんより少し大きめだが、ほぼ同じ大きさのものが出回っている。
手で皮が剥け、高糖度で、酸味も程よくあり、風味が良い。
種は少しだけ入る(一玉に1から2粒。入らない時もある)。
国のヒットメーカー”農研機構”が育種した(紹介頁はこちら)。
「他でも”たまみ”を購入したことがあるんですが、ここのが抜きんでて美味しいですよね。」
「たぶん、酸味が強いんじゃないですかね。未熟で収穫してしまうから。。。」
「いや、逆ですかねえ、、、どちらかという風味がない、なんの味もないたまみが販売されています。」
個体差や、農家間の個人差で、味がぶれると、やはり全体的な需要にかかわっていく。
たまみがメジャーになりきれない理由になっているのだろうと思う。
「2023年は梅雨以降、雨が全く降らなかったので、玉が太らなくて。生りも少ないんです。」
「そうなんですか、、、」
「そこに、たまに雨が降ると、裂果してしまって、だいぶ落としてますね。」
雨が少なくぎゅっと詰まって育った果実に、雨が当たると、ふっと膨らんで、皮が割れてしまう。
そうすると正品にならない。
ならせたままにすると、樹にも負担がかかり、来期の結実に問題が出るから、落とすのだ。
策を越えて中に入ると、根元には落ちて朽ちた果実がたくさんあった。
それ以上に自分が驚いたのは、鳥たち。
一歩踏み入れると、いたるところから鳥が逃げていく鳴き声と羽ばたきが聞こえた。
「鳥が相当いますね。」
「はい、そうなんですよ。ヒヨドリか…。」
「うぐいす色の、あれ、なんでしたっけ。」
「めじろですね、じゃあ。」
「ああ、めじろだ。」
生りが少ないうえに、裂果して落果して、鳥に食べられて…。
どれだけ少なくなるのだろう?
と思いつつ、例年通りのお取引量をお約束頂いた。
一玉、樹になっているのをお取りいただき、食べさせていただくと、とても美味しかった。
酸味に敏感で、酸味に弱いという石丸さんは
「わしにはちょっとキツイですね。キーってなりますわい。」
糖度は十分にのっているので、あとは酸味が抜けるのを待って収穫し、少し常温で保管してさらに酸抜けするのを待って出荷予定だ。
おおよそ、1月末から2月頭、月の変わり際の初出荷になるだろう。
■たまみ 愛媛県産 約2kg 3780円(税込)~
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/414538.html
海沿いの、中島の幹線道路をそのまま進んだ後、ぐっと左に曲がって、さっと右に曲がると、ビニールハウスと新規に植えた果実たちが集中する畑に到着する。
奥のビニールハウスには、愛媛果試第28号(通称:紅まどんな)があり(収穫済み)、露地には、はるか、媛小春と植えてある。
中晩柑類の品質に秀でる中島の環境において、愛媛果試第28号はやや早い時期の柑橘(=12月に収穫する)のため、愛媛本土側に比べると、やや品質は劣るように思っている。
それでも、隣に広がるはるかや媛小春は、その食味の良さが特筆に値する。
個人の好みにもよるだろうが、風味がとても良いのだ。