柑橘業界は日進月歩。
王道は固まりつつも、ニューフェイスが次々と出てくる。
近所のスーパーで、またも見たことのない柑橘があったので、購入。
負けた、と思いつつ。
津之輝(つのかがやき)。
全国に散らばる国の育種機関である農研機構が作った品種だ。
ちなみに長崎の旧 口之津(くちのつ)にある支所で生まれている。
清見に興津を掛け合わせて生まれた柑橘
(名前はない)に、アンコールを掛け合わせたもの。
アンコールは、オレンジとタンジェリン(みかんの仲間)を掛け合わせた、来歴不明のアメリカ生まれのタンゴール。
食味が良く、外観のオレンジが濃いので、とても美味しそうに見え、実際、とても美味しい柑橘。
種が多いため、今のトレンドに合わないが、せとかの親にもなっており、優秀な柑橘と言えるだろう。
清見は、宮川早生みかんとトロビタオレンジの掛け合わせ。
興津は、静岡の試験場で生まれた、早生みかんの主力品種。
系統だけ見ると、昨今流行りの、高級柑橘にも思えるが、それほど高価でない。
もしかしたら、栽培が、せとかや甘平よりも簡単、というか、落果や裂果が少なく、歩留まりが良い品種なのかもしれない。
食べてみた感想は、ばらつきはあるものの、総じて甘く、オレンジとみかんの間の食感で、デコポンとよく似ている風味だと感じた。
手で皮が容易に剥け、内袋もやわらかい。
種もない。
もし量産が可能な柑橘であれば、今後、伸びて来る柑橘だと思った。
しかし、こうも優れた子孫を残す清見、というタンゴール。
こちらもまた気になるところである。