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せとか はまさき

柑橘界の大トロ、せとか。

柑橘界の大トロと呼ばれるせとか。
最近の高糖度系のオレンジみかんでは珍しく農研機構で育種された。
清見にマーコットを掛け合わせてできた種子に、アンコールを掛け合わせて生まれた。

柑橘類の祖先はインド北部周辺で生まれたと言われていて、西に行ってオレンジに、東に行ってマンダリンあるいはみかんに進化した。
香りが良く食味の良いオレンジと、手で皮が剥けて食べやすいみかんを、最近では盛んに交雑して生まれたものを、専門用語で”タンゴール”と言う。
マンダリンやみかんのグループを”タンジェリン”と言う。
タンジェリンとオレンジの頭の方の文字をとって”タンゴール”。

清見は日本生まれのタンゴールの先駆け的存在。
清見は、日本の早生みかんの横綱品種である”宮川早生”とおでこが少し出るタイプの”トロビタオレンジ”をかけわせて生まれた。

マーコットは、”マーコットオレンジ”と言われるが、正しくはマーコットタンゴール。
つまり、タンジェリンとオレンジの掛け合わせ。
アメリカ生まれなのは分かっているが、来歴や親が何かは良く分かっていないらしい。

清見とマーコットを掛け合わせた時点で、みかんとオレンジの血は半々。

さらにここに、アンコールを掛け合わせたのが、せとか。
アンコールの親はキングマンダリン(カラの親)と地中海マンダリン。
タンジェリンのグループでなので、結果的に、みかんあるいはタンジェリンのグループの血が濃くなったことになる。
オレンジのクォーターというべきか(四分の三はみかんを含むタンジェリンのグループ)。

食味や風味は、オレンジのクォーターにふさわしい。

手で皮が剥けて(タンジェリンの特徴)、種がなく(タンジェリンの特徴)、果肉の食感はトロリとして、やわらかい(タンジェリンの特徴)が、香りや味はオレンジが混ざっている。

せとかは、皮が傷つきやすいので、ハウス栽培で大切に育てるのが向いている。
露地で育てる場合は、収穫を遅くし、ひとつひとつ袋をかけて育てるほうが良い。

りょくけんが現在扱っているせとかは、広島県の森野さんのもの。

多くの高糖度オレンジみかんが愛媛県生まれなのだが、農研機構の長崎支部で生まれたせとかは、長崎生まれ。
全国で栽培することが可能だ。

ややこしいが、育成地である長崎にも、”瀬戸”と呼ばれる地域があり、そこにちなみ名付けられたのだとか。

トロリとして、絶品。
高級感あふれる食味は、柑橘界の大トロにふさわしい。

森野さんのせとかは、生口島のハウスで育ったので、単価も高いが、見た目も美しく、味のばらつきが少なくて、美味しい。
今年のものも食べてみたが、糖度も十分にあり、美味しかった。

ぜひお試しあれ。

■せとか 広島県産 約1kg 3240円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/40703.html

ちなみに、同じ親を持つ品種もあり、“麗紅(れいこう)”という。
こちらも食味が良く、やはりせとかとよく似ているが、熟期がやや早い。
とはいえ、ハウスもののせとかとは同時期になるか。

育成地である長崎では、ブランド化しようと、”はまさき”と言う名前を付けて、アピールしている。