甘平の入荷が始まった。
愛媛県で生まれた柑橘で、西の香(清見×トロビタオレンジ)に不知火(デコポン)を掛け合わせたと言われてきたが、実際のDNA鑑定で、不知火ではなく、ポンカンが花粉親だったとことが判明した。
ここのところ、こういった訂正は、青果業界では多く見られる。
技術が進歩し、より正確にわかるようになった、といったところか。
柑橘業界では、オレンジとみかんの掛け合わせが大流行中。
最近ではそうやって生まれたオレンジとみかんの掛け合わせに、さらにその掛け合わせを、掛け合わせる第三世代の新柑橘も増えてきた。
甘平もその一つだろう。
親である西之香(にしのかおり)は、清見とトロビタオレンジの掛け合わせ。
清見はみかんとトロビタオレンジの掛け合わせなので、できた柑橘にさらに親を掛け合わせたことになる。
不知火は、清見とポンカンの掛け合わせなので、かなり複雑。
(こういう特徴がある柑橘と、こういう特徴がある柑橘を掛け合わせて、より良いものを、と意図することが多いと思うのだが、甘平には、そういった意図があまり感じられない。。
しかも不知火ではなく結局ポンカンが花粉親だったという、、、)
ちなみに最初のコードネームは愛媛果試34号。
食味良好のため、品種登録され、甘平(かんぺい)と名付けられた。
甘く扁平な果実の特徴から、そのように名付けられたようだが、おそらく名付け親は三国志が好きなんじゃないかと、、、
大きな期待が寄せられた柑橘だけあって、とても美味しい。
粒々感があって、食感が良く、極めて甘い。
オレンジのようなみかんのような、ちょうど中間の風味。
しかも大玉で、皮が手で向け、種がない。
美味しくて食べやすいので、やっぱり高価になる。
畑に行くと、高価でなければやっていけない理由も良く分かる。
というのも、すごくたくさん落ちるのだ。
弱い実は自然に落ち、半分くらいしか残らない。
しかも、割れやすい。
手で皮が剥きやすい反面、やわらかいためか、樹上でパカンと割れてしまう。
これでは、なかなか安価にならない。
初めて栽培する農家は、この落果の多さに辟易して、なかなか作り続けることに執着しないようだ。
ただ、その分、食味が凝縮し、高価な値段も認められるようになると、継続できる柑橘と言えるだろう。
ぜひ、貴重な甘平を味わってみてほしい。
■甘平(かんぺい) 愛媛県産 約1kg(3~4玉) 2160円(税込)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/40783.html