「マルドリ?」
「マルチ&ドリップのことで、水やりと施肥をほぼ自動でできます。ここはいったん剝いでますが、また、マルチシートはかけて、余計な水分が入らないようにします。」
園地の脇には、大きな水と液肥のタンクがあり、これらを混ぜて、園地に張り巡らされた黒い潅水チューブを通って散布される。
マルチシートとは、大きなビニールシートで、畑の表面に敷かれて、雑草が繁茂しないようにするほか、水分コントロール、保温、白いビニールシートにすることで日照を効率よくみかんに当てる役割がある。
「ただ、水がすぐ手に入るところでないと、設置はむつかしいです。ここは用水が通っているので、できただけで。。」と園主の宇都宮さんが優しく解説してくれた。
パシャパシャと撮影する私を横に、事務担当の崎山さんが「そろそろまだ実がなっているところに行きませんか?」と促してくれた。
”マルドリ”の園地もみかんだったので、すでに果実はない。
明浜を見渡せる上方の場所に上がっていき、記念撮影。
服装の関係もあるが、妙に、なじんでいる私がいる。
3月に収穫予定のせとかと清見タンゴールを見させてもらった。
清見は、まさにみかんとオレンジの間の柑橘。
味や食感、香りもちょうどみかんとオレンジの中間。
ジュース分が多く、交雑させやすいことから、デコポンこと不知火など多くの優秀な新柑橘の親になっている。
せとかは、柑橘の大トロとも言われる高級高食味柑橘。
りょくけんでも瀬戸内海のハウス育ちのせとかは扱っているが、露地ものはやっていないので、ご紹介できたら嬉しい。
と思ったら、1月の寒波で、間違いなく冷害を受けているそうで、、、
その影響が分かるのが一週間後。
冷害を受けている場合、スが入り、とてつもなく食味が悪くなっているそう。。。
黒いカバーを一つ一つかけて、大切に育てているのに、本当に悲しい。
残念ながら、外観からは判別が難しく、安くない柑橘なので、冷害が多かったら出荷を見合わせるそう。
「またみかんが生っている時に来ても良いですか?」
「ぜひ!」
みかんの収穫繁忙期に訪れることは、迷惑がられることも多く、控えている。
快諾してくださり、「本当ですか!?」と返すと
「そりゃ、毎日だったら嫌ですけど…。」と片岡さんが笑いながら仰った。
”明浜みかんを次世代に伝える役割を果たしたい。”
そんな理念を持つ若手農家グループと接し、私も胸がいっぱいになった。
ちなみに、私にも、次代につなげたいものがあった。