りょくけん東京

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みかん 日の丸 明浜

プロローグ ~みかんをつなぐ~。

みかんの産地と言えば、関東の方になじみが深いのは、愛媛、和歌山、静岡、そして九州各地だろうか(この業界に入って広島も強いことを知ったけれど)。
その中でも、愛媛はトップブランドだろう。

その、愛媛県の中でも八幡浜にある、日の丸、川上、真穴(まあな)の3地区はみかんの三大トップブランドとして県内外に知られている。
農協や組合がしっかりしているので、逆に言えば、りょくけんへ個人出荷してくださるような方はいなかった。

が、たった一人いて、なんのご縁か、私もお取引させていただくようになった。
みかん栽培の生き字引のような方で、一語一句すべて録音しておきたい、そんな方だった。

日の丸の川田さん。

ただ、一昨年、80代半ばで、農業を引退。
ほとんどのみかんの樹を伐採してしまった。

「なんやけんのう。もういけん。あの坂で作業はわしの足じゃもうできん。」

年齢や体の変化には、耐えられなかった。

川田さんには血のつながった後継者がいなかった。
それでも、地元の若い方に、園地の一部を貸し出したりしていたので、どなたかがきっとあの一等地を引き継ぐのだろうと期待をしてきた。

が、結論を言えば現れなかった。
というか、川田さんのように農協に頼らず個人出荷をする方が現れなかった。
日の丸はトップブランドなので、冒険せずに組合に所属していた方がやりやすいのだろう。

「日の丸は個人出荷は、せんのう。明浜あたりの若手農家を当たってみるのが良いかもしれんのう。」

引退した農家さんが次の農家さんのヒントをくださった。

明浜には、尊敬する老舗の柑橘グループ”無茶々園”さんがいる。
お取引もあるので、立地条件や出来上がりの味のレベルも想像がつく。
明浜=無茶々園さんと思いこんでいたので、他の柑橘農家さんもいることに気づいていなかった。

リアス式海岸の複雑な地形。
半島の集合体で、海からすぐ山。
山のどちら側に畑があるかにもよるが、南、あるいは理想的な南西向きの斜面も多そうだ。

それが、片岡さん×2、上甲さん、宇都宮さん、崎山さんという若手農家グループと出会うきっかけだった。